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RBNZ政策会合に注目! 豪ドル/NZドルが反応しそう

2023/11/29 08:25

【ポイント】
RBNZNZ中銀)の政策金利見通しがどうなるか
・市場のRBNZの利下げ観測は高まるか
・米国の長期金利は一段と低下するか

(欧米市場レビュー)

28日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は147.312円、米ドル/カナダドルは1.35590カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.10043ドル、豪ドル/米ドルは0.66603米ドル、NZドル/米ドルは0.61415米ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは10月2日以来の安値を記録し、ユーロ/米ドルは8月10日以来、豪ドル/米ドルは8月1日以来、NZドル/米ドルは8月2日以来の高値をつけました。

米国の長期金利(10年物国債利回り)の低下やウォラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事の発言が、米ドルへの下押し圧力となりました。ウォラー理事は講演で「(FRBの)現在の政策金利の水準は良い位置にあるとの確信を強めている」と述べ、「あと数カ月間ディスインフレが続き、インフレ率が本当に鈍化方向に向かっているとの確信が持てれば、利下げを開始することができる」と語りました。

(本日の相場見通し)

RBNZ(NZ中銀)の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間午前10時に発表され、午前11時からオアRBNZ総裁が会見する予定です。

RBNZは7月・8月・10月の3会合連続で政策金利を5.50%に据え置きました。政策金利は今回も5.50%に据え置かれそうです。NZの7-9月期CPI(消費者物価指数)は前年比5.6%と、RBNZのインフレ目標である1~3%を引き続き上回ったものの、上昇率は4-6月期の6.0%から鈍化しました。これまでの利上げの効果は、今後さらに出てくると考えられます。

RBNZの声明や四半期に一度公表される政策金利見通し、オア総裁の会見にも注目です。前回8月の政策金利見通しでは、23年7-9月期から24年7-9月期にかけて追加利上げの可能性が示され(最大で24年4-6月期の4割弱)、その後25年1-3月期に5.50%(現在の政策金利の水準)を下回るとの予測でした。この見通しがどうなるのかが最大の焦点になりそうです。

市場では、RBNZは早ければ24年半ばに利下げに転じるとの観測があります。RBNZの政策金利見通しで5.50%を下回る時期が8月時点から早まるなどして市場の利下げ観測が高まれば、NZドルが軟調に推移しそうです。NZドル/米ドルやNZドル/円は下落し、一方で豪ドル/NZドルは上昇すると考えられます。

※NZドル/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/米ドル、200日MAを上抜け突破!]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

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米国の長期金利は28日に4.32%へと低下し、9月20日以来の低い水準をつけました。ウォラーFRB理事の発言(*欧米市場レビュー参照)が、米長期金利低下の主な要因です。

米長期金利が一段と低下すれば、米ドルが軟調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上昇すると考えられます。米ドル/カナダドルは、200日移動平均線(11/29時点で1.35158カナダドル)が目先の下値メドです。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米長期金利の研究:ピークアウトしたか]です。

ベージュブック(米地区連銀経済報告)が本日公表されます(日本時間30日午前4時)。ベージュブックは12の地区連銀の経済状況に関する報告書をまとめたもので、FOMC(米連邦公開市場委員会)における討議資料になります。次回のFOMCは12月12-13日です。ベージュブックの内容次第では材料になる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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