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円が全面安、米ドル/円は158円台へ上昇

2024/04/29 08:50

【ポイント】
・日銀会合の結果や植田総裁の会見が引き続き意識されるか
・「円安」への本邦当局の対応
ECB理事会メンバーは金融政策について新たなヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

26日の欧米時間の外為市場では、が全面安の展開。一時、米ドル/円は158.387円、ユーロ/円は169.318円、豪ドル/円は103.407円、カナダドル/円は115.858円へと上昇しました。日銀は金融政策決定会合を開き、金融政策の現状維持を決定。展望レポートや植田総裁の会見では「緩和的な金融環境」を継続する姿勢が示されました。植田日銀総裁は会合後の会見で足もとの円安について「今のところ基調的な物価上昇率に影響を与えていない」との見方を示しました。それらが円に対する下押し圧力となりました。

米国の3月PCE(個人消費支出)デフレーターや前日の1-3月期GDPを受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退し、米ドル/円はそのことも上昇要因となりました。

※日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁の会見、米国のPCEデフレーターについては、27日の『ファンダメ・ポイント』[米PCE、日銀会合を経て、米ドル/円は160円を目指す!?]で詳しく解説しています。

(本日の相場見通し)

26日の日銀金融政策決定会合の結果や植田総裁の会見内容が引き続き市場で意識される可能性があります。その場合には円安圧力が加わりやすいと考えられ、米ドル/円やクロス円は一段と上昇しそうです。

鈴木財務相は26日午後1時前、記者団から米ドル/円が156円台(当時)に上昇していることへの対応について聞かれたのに対し「しっかりと対応していく」と述べ、過度な変動か?との質問には答えませんでした。円安(米ドル/円の上昇)への本邦当局の対応(為替介入に踏み切るかどうか)にも引き続き注目です。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、ここからは乱高下に要注意!]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

ドイツの4月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間21:00)。CPIの市場予想は前年比2.3%と、上昇率は3月の2.2%から若干高まるとみられています。市場予想を上回る結果になれば、ユーロの支援材料になる可能性があります。

デギンドスECB(欧州中銀)副総裁やレーンECB専務理事、デコス・スペイン中銀総裁が講演します。デギンドス副総裁らECB理事会メンバーがECBの金融政策の先行きについて新たな手がかりを提供すれば、材料になりそうです。

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日は日本が祝日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。その分、突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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