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日銀会合や米PCEデフレーターに市場が反応しそう

2024/04/26 09:07

【ポイント】
・日銀会合で追加利上げ観測が強まるかどうか
・本邦当局は為替介入を実施するか
・米PCEデフレーターで米利下げ観測が一段と後退するか

(欧米市場レビュー)

25日の欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は155.699円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.06785ドル、豪ドル/米ドルは0.64841米ドルへと下落しました。米国の1-3月期のGDP(国内総生産)速報値は前期比年率1.6%と市場予想の2.5%を大きく下回りました。一方で、インフレ指標であるGDPデフレーターは前期比年率3.1%と、23年10-12月期の1.6%から加速しました。市場はGDPデフレーターの結果をより強く意識したようです。

※米GDPについては、本日26日の『ファンダメ・ポイント』[米GDPを受けて米利下げ観測が一段と後退]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、日銀の金融政策決定会合が開かれます。会合の結果は通常正午前後に発表され、15時30分から植田総裁が会見します。

日銀は前回3月の会合で、マイナス金利の解除(利上げ)やイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の撤廃などを決定し、金融緩和策を修正しました。それらの効果を見極めるため、本日の会合では現状維持(政策金利を0~0.10%に誘導する)が決定されそうです。ただ、国債の買い入れ額(月間6兆円程度)については、減額が検討されるとの報道もあります。

植田日銀総裁の会見経済・物価情勢の展望(展望レポート)にも注目です。植田総裁の会見では、追加利上げについてどのような発言をするか、足もとの「円安」に対する評価などに注目です。植田総裁の会見や展望レポートが追加利上げはまだ先との印象を与える内容になれば、が全般的に軟調に推移して、米ドル/円やクロス円は上値を試す展開になりそうです。

※日銀会合については、25日の『ファンダメ・ポイント』は、[日銀金融政策決定会合の注目ポイントと為替介入]をご覧ください。

米国の3月PCE(個人消費支出)デフレーターが本日発表されます(日本時間21:30)。その結果も材料になりそうです。

PCEデフレーターの市場予想は総合指数が2.6%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同2.7%。足もとの米ドル高は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが後ズレするとの観測が主な要因です。PCEデフレーターが市場予想を上回る結果になれば、利下げが後ズレするとの観測が一段と強まるとともに、米ドルが堅調に推移しそうです。

米ドル/円の上昇に弾みがつく場合、本邦当局の対応(為替介入に踏み切るかどうか)に注目です。

イエレン米財務長官は25日、為替レートは市場で決定されるとの認識を示したうえで、「為替介入は市場の混乱や過度な変動がみられた場合のみ“まれ”に行われ、かつ(実施する際には)事前に協議されることを期待する」と述べました。イエレン長官は、円の適切な水準に関してはコメントを避けました。

鈴木財務相は本日26日午前9時前、「為替市場の動向をしっかり注視していく」、「(円安は)プラスとマイナスの両面があるが、マイナス面の懸念を持っている」と述べ、イエレン長官の発言についてはコメントを控えました。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[注目の日銀会合!米ドル/円の動向は?]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

※GW(大型連休)期間中の祝日についても「デイリーフラッシュ」は通常通りの配信予定です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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