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G7は為替相場に言及も、G20はスルー!?

2024/04/19 09:00

07:36配信分をアップデートしました。

日本の3月CPI結果・・
CPI総合  :前年比2.7%(市場予想2.8% 2月実績2.8%)
CPIコア  :前年比2.6%(市場予想2.7% 2月実績2.8%)
CPIコアコア:前年比2.9%(市場予想3.0% 2月実績3.2%)

【ポイント】

・G20は為替に言及せず、米ドル/円は再び154円台後半に
・中銀関係者の発言、為替相場に対する本邦当局の対応に注目
・米長期金利、日米株価、原油価格なども相場材料になりそう

(欧米市場レビュー)

18日の欧米外国為替市場で、米ドルが総じて堅調。米FRB関係者のタカ派発言やフィラデルフィア連銀製造業景況指数など良好な経済指標を受けて、米長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが背景。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、年内に利下げしない可能性に言及。ボスティック・アトランタ連銀総裁は、年末ごろに1回利下げとの自身の予想を改めて示しました。

メキシコペソ南アフリカランドなど新興国通貨は軟調でした。4月に入ってNYダウなど株価が軟調推移していることに加えて、米長期金利の上昇によって、市場でリスク回避的な動きが強まりました。

ユーロも軟調。パネッタECB理事が6月利下げの可能性に言及するなど、ECB関係者のハト派発言が材料となりました。

米ドル/円は18日の東京市場で一時154円を割り込みましたが、ロンドン、NY市場で反発。17日にワシントンで開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議で、「為替の過度な変動は経済に悪影響を与える」とのコミットメントが再確認されました。神田財務官が「日本の主張に沿ってG7声明に為替文言が盛り込まれた」と発言し、米ドル/円の下押し材料となりました。その後、18日のG20財務相・中央銀行総裁会議で「為替はG20の議題にはなかった(鈴木財務相)」ことが、米長期金利の上昇に伴う米ドル/円の反発を後押ししたようです。

(本日の相場見通し)

本日はIMF・世銀総会の最終日。引き続きワシントンに集まった中央銀行関係者の発言機会があり、内容によっては市場が反応するかもしれません。予定されているのは、ナーゲル・ドイツ連銀総裁(ECBメンバー)、マンBOE(英中銀)委員など。両氏はタカ派として知られています。また、ボスティック・アトランタ連銀総裁がフロリダで経済見通しについて話す予定。

米ドル/円は155円手前の推移が続いています。G7やG20、IMF・世銀総会を終えて、本邦当局がどう対応するのか(新たなけん制や為替介入の有無)、市場が当局を試すような仕掛け(米ドル買い円売り)をみせるのか。本日から来週初にかけて要注目かもしれません。

4月に入って上昇基調の米長期金利は、昨年11月以来となった16日の高値(4.69%)を試すのか。逆に、下げ基調の日本や米国の株価がさらに下押しするか。「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が昨年11月初め以来の高値水準で推移しており、投資家心理の悪化を示しています。原油価格は足もとでやや落ち着きを見せていますが、中東情勢次第では再び上昇に転じるかもしれません。各国中央銀行がインフレ再燃を懸念しているだけに、中東情勢にも要注意でしょう。 


本日08:30に日本の3月CPI(消費者物価指数)が発表されます。25-26日に日銀の金融政策決定会合が開催され、26日には「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が公表されます。日銀の追加利上げが今年9月、あるいは早ければ同7月にも実施されるとの見方が強まっているだけに、CPIの結果が日銀会合の議論や展望レポートにどのような影響を与えるか、興味深いところです。

市場予想は・・・

CPI総合  :前年比2.8%(2月実績 同2.8%)
CPIコア  :2.7%(2.8%)
CPIコアコア:3.0%(3.2%)

※コア:生鮮食品除く コアコア:生鮮食品・エネルギー除く
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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