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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月12日更新

2024/04/12 11:55

宮田レポートPDF

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~41,600円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 37,000~39,400ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,000

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~155.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~106.700



[日経平均]
TOPIXは89年高値『2886.50』まで一定の距離を残しますが─現状のNT倍率(14.42倍)からみるとTOPIXが最高値に並ぶには日経平均で41,600円程度が必要です─今年後半から来年にかけての最高値更新は可能でしょう。


【週足・エリオット波動分析】

24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

25,621円(22/10/3安値)からは(3)-3波による上昇トレンド。この第3波の副次波(マルi~マルv)中マルv波が、30,538円(23/10/23安値)からの上昇に相当します。

後述しますが、マルv波は41,087円(3/22高値)を以て終了し─それと共に(3)-3波も終了し─(3)-4波による調整局面が始まった可能性があります。

(3)-2波は、およそ半年間の[フラット]でした。[オルタネーション(交互)]により、3月高値からの (3)-4波は、おそらく[ジグザグ]か[トライアングル]になるでしょう。その下値レンジとして今のところ筆者は、3万7000円~3万5500円を有力視しています。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
MACDが最初に売り転換したのは3月8日、二度目は同28日のことです。日経平均が最高値(41,087円)を付けたのは3月22日ですから、MACDの二度目の売り転換は、「弱気ダイヴァージェンス」を伴う強い弱気シグナルでした。

23年10月安値(30,358円)以来、第3波中マルv波による上昇が続いてきましたが、それは41,087円を以て終わったとみられます。

毎回ではありませんが、相場は太陽運行上の節目(夏至、秋分、冬至、春分など)で転機を迎えることがあります。41,087円という高値は「春分の日」(3月20日)付近で付けた、重要な転換点だったかもしれません。

日経平均は第4波による調整局面が進行中と思われます。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から第4波調整に入った、という前提に立ち、今後のサポートレベルを以下に列挙してみましょう。
[38,598円]…マルv波の上昇に対する23.6%押し水準
[38,271円]…3月12日安値であり、昨年10月30日安値(30,538円)からのマルv波における、レッサー・ディグリー(iv)波安値です。ただ、第4波の下値にしては浅すぎる印象です。

[37,057円]…マルv波の上昇に対する38.2%戻り水準
[36,978円]…高値から10%下げ(ザラバベース)
[36,984円-35,657円]…第(iii)波のレッサー・ディグリーⅳ波領域
[35,813円]…マルv波上昇の半値(50%)押し水準

[35,371円]…1月18日安値
[34,924円]…高値から15%下げ
[32,870円]…高値から20%下げ
以上のように、重要なサポートレベルが3万7000円から3万5500円に重複していることがわかります。それは第4波の下値メドに相応しいでしょう。
【4月11日 15:08更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)から5カ月間にわたる(B)-C波によるラリーは、3月高値(39,889ドル)で終わり─日経平均同様に春分の日付近で付けています─(C)波による下落トレンドが始まったかもしれません。

(C)波は5つ波で構成され、(A)波(22年1月高値・36,952ドル⇒22年10月安値・28,660ドル)の22.44%下落に匹敵する、あるいはそれ以上の大きな下落スケールになるでしょう。

なお3万7000ドル処には、[36,952ドル](22年1月高値)と[37,000ドル](23年10月からの上昇の38.2%押し)が重なっており、当面の強いサポートレベルとみられます。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
23年10月安値(32,327ドル)からの(B)-C波による上昇(5波構成)は、39,889ドル(3/21高値)で終了し、(C)波による調整局面が始まったかもしれません。

そうであればNYダウは、上昇C波レッサー・ディグリー(iv)波領域[37,790ドル-37,122ドル]を目指し、下げていく展開が当面ありそうです。

このレンジの下限近くには、先に書いたチャート節目の3万7000ドル処が控えており、当面の強いサポートレベルとみられます。
【4月12日9:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

➃-(B)波によるリバウンドは終わったか、終わりつつあります。

15,158(1/31安値)からの上昇パターンは、相場天井に先立つ[エンディング・ダイアゴナル]とみられます。15,925(3/15安値)を下回ると、ダイアゴナルからの下放れ開始を示唆。この場合ナスダックは、「速やかに」15,158(ダイアゴナル始点)まで下げる可能性があります。

さらに➃-(C)波による調整は続き、ナスダックは21年~22年に相当するスケールで下げ基調を強めていくでしょう。

筆者による想定下値レンジは[12,000-10,000]です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]なら、来る(C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

引き続き4620(3/19安値)の去就が注目されます。4620を下回る動きが生じた場合、それはSOX指数が5217(3/8)を以て天井を付け、(C)波の調整に入ったとの見方を強めます。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(2089)からはプライマリー第➄波であり、23年10月安値からの上昇は「➄波-5波」に相当します。➄波に続いて起きるサイクル級の調整局面は、2027-28年まで続くと思われます。
【4月12日 9:21更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近は34年ぶりドル高・円安となっていますが、それも基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するでしょう。

なお、ドル/円天井(B波終了)のタイミングは今月(24年4月)かもしれません。
およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月が経過する時点が、24年4月となります。

そして4月10日、90年6月以来34年ぶりに1ドル=153円台を回復しています。ドル/円は8年サイクル高値をいつ付けてもおかしくないでしょう。
※ドル/円の見通しについては、4月4日発行のマンスリー・フォーカスも併せてお読みください。


【週足・エリオット波動分析】 
23年1月(127.158円)以来のドル/円の波動構成は、波の重なりが多いチョッピー(choppy)なものです。これはつまり、23年1月からのドル/円上昇は推進波(5波構成)ではなく、修正波としてのB波であることを意味するものです。

「4月に153円-155円を打診する」という見通しは足元で達成されました。B波はいつ「不規則天井(イレギュラートップ)」を付けてもおかしくありません。

B波が終わると次はC波によるドル/円下落が予想されます。C波によりドル/円は135円-130円を目指す、とみられます。

今月中に1ドル=155円、という可能性を許容しつつ、ここからは円安から円高への基調転換に備えたいところです。

【日足・エリオット波動分析】
127.158円(23/1/16)からのB波は[不規則天井(イレギュラートップ)]を付けにいくところです。
不規則天井は「強気のワナ(Bull trap pattern)」として知られ、天井を付けてまもなく、逆方向への急激な反動を伴うことが珍しくありません。

今回のドル/円34年ぶり高値は「強気のワナ」となり、遠からずドル/円は急落局面を迎える可能性があります。

上述したように、B波の波動構成はチョッピーなものであり、パターンは[ダブル・ジグザグ]とみられます。

ドル/円はいつ高値を付けてもおかしくありませんが、特に155円処はチャート節目として要注目です。

[154.877円]…137.239円(23/7/14)からのN計算値
[155.129円]…二つのジグザグ(ⓦ波とⓨ波)が等しく上がるN計算値

【時間足・エリオット波動分析】 
137.239円(23/7/14)から二番目のジグザグ(a)-(b)-(c)が進行中であり、140.244円(12/28)からは(c)波による上昇とみられます。この(c)波を構成する5つの波のうち第v波が、146.431円(3/8)から展開中でしょう。

ドル/円は、3月下旬からの[アセンディング・トライアングル]から上放れる動きとなっています。トライアングルから上放れた市場価格は通常、スピード感を伴います。目先で[154円-155円]へ上伸してもおかしくありません。

なお、この見方は150.806円(4/5)を維持する限り有効です。
150.806円を下回る動きとなれば、B波のリバウンドは終わったという見方が優勢になります。
【4月12日10:34更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
23年10月高値(107.348)からはC波によるドル安に位置付けられ、このC波は5波構成(マルi波~マルv波)になります。

12月安値(100.617)からのドル高は、マルii波によるリバウンドという位置付けです。

105.100(4/2)を以てマルii波終了の可能性をみていましたが、そうではありませんでした。
マルii波のフォーメーションは[トリプルスリー]であり、(w)-(x)-(y)と表記されます。さらに102.358(3/8)からは(y)波であり、ドル高の最終局面を示唆する[ダイアゴナル]と思われます。

C波中マルiii波によるドル安トレンドが始まる前に、下記の水準へドル高が進む可能性があります。

[105.759]…マルi波の76.4%戻り水準
※4月11日には一時105.527まで上昇しています。

[105.907]…同78.6%戻り水準
[106.717]…昨年12月からの(w)波と今年3月からの(y)波が、等しく上がる水準
【4月12日7:55更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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