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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月5日更新

2024/04/05 10:08

宮田レポートPDF

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~41,600円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 37,000~39,400ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,000

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~155.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~106.700



[日経平均]
TOPIXは89年高値『2886.50』まで一定の距離を残しますが─現状のNT倍率からみるとTOPIXが最高値に並ぶには日経平均で42,000円程度が必要です─今年後半から来年にかけての最高値更新は可能でしょう。

【週足・エリオット波動分析】
24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

25,621円(22/10/3安値)からは(3)-3波による上昇トレンド。この第3波の副次波(マルi~マルv)中マルv波が、30,538円(23/10/23安値)からの上昇に相当します。

マルv波は終えたか、終えつつあります(マルv波終了を以て第3波も終了します)。
この波動カウントが正しいなら、日経平均の第4波による調整がまもなく始まるでしょう。

ちなみに(3)-2波は、およそ半年間続く[フラット]でした。[オルタネーション(交互)]により、来る(3)-4波はおそらく[ジグザグ]か[トライアングル]になる公算大です。日経平均は第4波により、高値から10%-20%(5千円~8千円)程度下げる可能性があります。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
23年10月安値(30,358円)以来、第3波中マルv波による上昇とみられます。

ところでMACDの最初の売り転換は3月8日のことです。
それは水準的に、23年6月に匹敵する高い位置(左軸で1000をやや上回る水準)で発動した弱気シグナルでした。

日経平均は3月13日から上昇に転じ、22日にはこれまでの最高値を付けました。その一方、同期間でMACDの高値は切り下がり、28日には再度売り転換しています。これは「弱気ダイヴァージェンス」を伴う強い売りシグナルです。

時間足チャートをみると、マルv波に必要な副次波は足元までにすべて揃っています。
第4波の調整はいつ始まってもおかしくありません。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
38,271円(3/12安値)以来の上昇は、マルv波中第(v)波とカウントできます。

マルv波の第(iii)波は─昨年12月8日安値(32,205円)から今年3月7日高値(40,472円)まで─延長(extension)した波です。

延長する波はひとつであり、残る二つの波は等倍になる傾向が強いとされます。つまり現行の第(v)波が延長することはなく、第(i)波と同じ程度の上昇になる可能性が高いでしょう。

[41,586円]…23年10月から11月までの第(i)波上昇幅(3315円)と、第(v)波の上昇幅が等しくなる水準
直近高値は41,087円(3/22)であり、ここからの上値余地は限られそうです。

一方39,217円(4/3安値)を終値で下回ると、既に第(v)波が41,087円(3/22高値)を以て終了し、第4波の調整に入ったという見方が優勢になります。この場合、まずは38,271円(3/21安値)への下値試しとなりそうです。
【4月4日 16:05更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)から5カ月間にわたる(B)-C波によるラリーは、3月高値(39,889ドル)で終わり、(C)波による下落トレンドが始まったかもしれません。

(C)波は5つ波で構成され、(A)波(22年1月高値・36,952ドル⇒22年10月安値・28,660ドル)の22.44%下落に匹敵する、あるいはそれ以上の大きな下落スケールとなるでしょう。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
4月5日にNYダウは530ドル安と今年最大の下げ幅を記録しました。この下げにより、注目していた節目の39,277ドル、さらには38,618ドル、これらが立て続けに破られました。

23年10月安値(32,327ドル)からの(B)-C波による上昇(5波構成)は、39,889ドル(3/21高値)で終了し、(C)波による調整局面が始まったかもしれません。

そうであれば、当面NYダウは、レッサー・ディグリー(iv)波の領域である[37,790ドル-37,122ドル]を目指すことになりそうです。このレンジ下限近くには、C波の38.2%押し水準[37,000ドル]が存在し、当面の強いサポートレベルとみられます。
【4月5日9:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

➃-(B)波によるリバウンドは終わったか、終わりつつあります。

15,158(1/31安値)からの上昇パターンは、相場天井に先立つ[エンディング・ダイアゴナル]とみられます。目先的に15,925(3/15安値)を下回ると、ダイアゴナルからの下放れ開始を示唆。この場合ナスダックは、「速やかに」15,158(ダイアゴナル始点)まで下げる可能性があります。

さらに➃-(C)波による調整は続き、ナスダックは21年~22年に相当するスケールで下げ基調を強めていくでしょう。

筆者による想定下値レンジは[12,000-10,000]です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]なら、来る(C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

当面は4620(3/19安値)の去就が注目されます。4620を下回る動きが生じた場合、それはSOX指数が5217(3/8)を以て天井を付け、(C)波の調整に入ったとの見方を強めるものです。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(2089)からはプライマリー第➄波であり、23年10月安値からの上昇は「➄波-5波」に相当します。➄波に続いて起きるサイクル級の調整局面は、2027-28年まで続くと思われます。
【4月5日 9:21更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近では34年ぶりドル高・円安となっていますが、それも基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するでしょう。

3月27日には一時1ドル=152円に迫り、90年7月以来34年ぶりの円安水準となりました。
この動きにより、23年1月(127.158円)からのドル/円上昇(Ⓧ-B波)は継続中とみられます。

日柄的に、ドル/円天井(B波終了)のタイミングは今月(24年4月)かもしれません。
およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月が経過する時点が、24年4月となります。
※ドル/円の見通しについては、4月4日発行のマンスリー・フォーカスも併せてお読みください。

【週足・エリオット波動分析】 
23年1月(127.158円)以来のドル/円の波動構成は、波の重なりが多いチョッピー(choppy)なものです。これはつまり、23年1月からのドル/円上昇は推進波(5波構成)ではなく、修正波としてのB波であることを意味するものです。

B波は「不規則天井(イレギュラートップ)」を付けに行く過程にあります。B波のパターンは[ダブル・ジグザグ]、足元は二番目ジグザグの最終局面をやっているところとみられます。

ドル/円は4月に[153円-155円]を打診する可能性があります。
もっとも、B波が終わると次はC波によるドル/円下落が予想されることから─C波は135円-130円を目指すでしょう─円安から円高への基調転換に備えたいところです。

【日足・エリオット波動分析】
127.158円(23/1/16)からのB波は[不規則天井(イレギュラートップ)]を付けにいくところです。
不規則天井は「強気のワナ(Bull trap pattern)」として知られ、天井を付けてまもなく、逆方向への急激な反動を伴うことが珍しくありません。

今回のドル/円34年ぶり高値は「強気のワナ」となり、遠からずドル/円は急落局面を迎える可能性があります。

上述したように、B波の波動構成はチョッピーなものであり、パターンは[ダブル・ジグザグ]とみられます。ちなみに、ここからドル/円はいつ高値を付けてもおかしくありませんが、特に155円処はチャート節目として要注目です。

[154.877円]…137.239円(23/7/14)からのN計算値
[155.129円]…二つのジグザグ(ⓦ波とⓨ波)が等しく上がるN計算値

【時間足・エリオット波動分析】 
137.239円(23/7/14)から二番目のジグザグ(a)-(b)-(c)が進行中であり、140.244円(12/28)からは(c)波による上昇とみられます。この(c)波を構成する5つの波のうち第v波が、146.431円(3/8)から展開中でしょう。

3月27日には一時151.940円と34年ぶりドル高・円安となりました。
急速に円安が進む中で介入警戒感が高まる状況ですが、なおもドル/円は上値試しとなる可能性があります。注目される今月は、一時的にも153円-155円へ上伸しておかしくありません。

ただし146.431円を下回る動きが生じた場合、B波のリバウンドが終わったという見方が優勢になります。
【4月5日9:34更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
23年10月高値(107.348)からはC波によるドル安に位置付けられ、このC波は5波構成(マルi波~マルv波)になります。

ドル指数は4月2日に3カ月半ぶり高値(105.100)を付けました。一方、ドル指数とほぼ逆に動くユーロ/ドルをみると、4月2日の安値は2月14日安値を下回っていません。つまりドル指数の直近の上昇は、
ユーロによって確認されておらず、これはドル指数の潜在的な弱さを示唆しています。

105.100(4/2)を以て昨年12月以来のマルii波は終わり、マルiii波によるドル安が始まったかもしれません。もしそうであれば、今後は昨年12月安値(100.617)を明確に下回る、ドル安が進行していくでしょう。

反面、マルii波によるドル高が継続している場合は、今月から来月にかけてドル指数は下記の水準へ上振れる可能性があります。
[105.759]…マルi波の76.4%戻り水準
[105.907]…同78.6%戻り水準
[106.717]…昨年12月からの(w)波と今年3月からの(y)波が、等しく上がる水準
【4月5日9:01更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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