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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※3月26日更新

2024/03/26 11:18

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~41,600円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,500~39,900ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,000

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~152.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~105.000



[日経平均]
TOPIXは89年高値『2886.50』まで一定の距離を残しますが─現状のNT倍率(14.59倍)からみるとTOPIXが最高値に並ぶには日経平均で42,000円程度が必要とされます─今年後半から来年にかけての最高値更新は可能でしょう。

【週足・エリオット波動分析】
3月21日に日経平均は最高値を更新しました。40,472円(3/7高値)を以て➂-(3)波「サード・オブ・サード」が終わった、という従来の見方は誤りでした。黄金比メドの[40,478円]は確かに重要な節目ではありましたが、トレンドを変えるものではありませんでした。

そこで今回から波動カウントを以下のように改めます。
修正後カウントでは、24,681円(22/3/9安値)を➂-(3)波の起点とし、25,621円(22/10/3安値)を(3)-3波起点とみなします。この第3波の副次波(マルi~マルv)のうち、マルv波による上昇が、30,538円(23/10/23安値)以来進行中と読みます。

この見方によれば、足元の上昇はマルv波中最終局面に当たります。近々第3波は天井を付け、第4波による調整が始まるでしょう。

(3)-2波はおよそ半年間続く[フラット]でした。[オルタネーション(交互)]により、来る(3)-4波はおそらく[ジグザグ]か[トライアングル]になるでしょう。日経平均は第4波により、高値から10%-20%(5千円~8千円)程度下げる可能性があります。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
22年10月3日安値(25,621円)を起点とする上昇第3波中、最後の上昇局面(マルv波)が23年10月30日安値(30,538円)から展開中とみられます。

日経平均の移動平均総合かい離は、3月4日に41.32%に広がった後も、引き続き「上がり過ぎ」※を示しています。

※移動平均総合かい離が30%以上の領域は「上がり過ぎ」とされます。3月25日時点は33.21%となっています。

次に示す時間足チャートをみると、マルv波に必要な副次波は足元までにすべて揃っています。マルv波のピークアウトは近いとみられ、第4波の調整開始も接近していると思われます。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
38,271円(3/12安値)以来の上昇は、マルv波における第(v)波とカウントできます。

マルv波の第(iii)波は─昨年12月8日安値(32,205円)から今年3月7日高値(40,472円)まで─延長(extension)した波です。

延長する波はひとつであり、残る二つの波は等倍になる傾向が強いとされます。つまり現行の第(v)波は延長せずに、第(i)波と同じ程度上昇する可能性が高いでしょう。

[41,586円]…23年10月から11月までの第(i)波上昇幅(3315円)と、第(v)波の上昇幅が等しくなる水準
直近高値は41,087円(3/22)であり、ここからの上値余地は限られそうです。

【3月25日 16:55更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)からの上昇は(B)-C波に当たり、それは終わったか終わりつつある、とみています。

現行(B)波の上昇が終わると(C)波による下落トレンドへの移行が想定されます。
(C)波は5つ波で構成され、それは22年10月安値(28,660ドル)を下回る可能性が高いでしょう。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
23年10月安値(32,327ドル)からの(B)-C波による上昇は最終局面にあります。

38,927ドル(2/12高値)からの高値保ち合いは[ランニング・トライアングル]を形成し、それはC波中マルiv波に位置付けられます。マルiv波は38,618ドル(3/15安値)で完了し、そこからの急騰はC波中マルv波と読めます。

3月21日には一時39,889ドルまで上昇しました。それがマルv波の終点かはわかりませんが、いつ天井を付けてもおかしくありません。

なお38,618ドルを下回ると弱気トリガーが発動し、(C)波による大きな調整がスタートした可能性を高めます。

ひとたび(C)波の下落に入れば、それは22年10月安値(28,660ドル)や、さらに下方の水準へと、NYダウを押し下げる可能性が高いでしょう。
【3月26日9:21更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

➃-(B)波によるリバウンドは終わったか、終わりつつあります。

15,158(1/31安値)からの上昇パターンは、相場天井に先立つ[エンディング・ダイアゴナル]のようにみえます。この見方は、15,618(3/15安値)を下回ることで強化されます。この場合ナスダックは、「速やかに」15,158(ダイアゴナル始点)まで下げる可能性があります。

さらに➃-(C)波による調整は続き、ナスダックは21年~22年に相当するスケールで下げ基調を強めていくでしょう。

筆者による想定下値レンジは[12,000-10,000]です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]なら、来る(C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

3月19日にSOX指数は一時4620まで下げ、8日に付けた最高値(5217)からは11.45%安となりました。下げ率は昨年10月からの上昇中でもっとも大きく、重要なピークを付けた可能性が示されています。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(2089)からはプライマリー第➄波であり、23年10月安値からの上昇は「➄波-5波」に相当します。➄波に続いて起きるサイクル級の調整局面は、2027-28年まで続くと思われます。
【3月26日 9:34更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。このⓍ波は、2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

23年1月(127.158円)からのⓍ波-B波によるドル/円上昇は、151.872円(11/13)を以て終わり、そこからはⓍ波-C波による下落トレンド(ドル安・円高)が進行中と思われます※。このC波によりドル/円は、135円-130円を目指すでしょう。

※別の波動カウントについては週足・日足分析などをご覧ください

【週足・エリオット波動分析】 
3月22日、一時151.844円と昨年11月の151.872円に急接近しました。
23年11月高値の151.872円からC波の下落トレンド(ドル安・円高)が進行中、というこれまでの見方に疑問符が付いたため(それはまだ完全に否定はされてないものの)、波動カウントを再考します。

まず23年1月(127.158円)以来のドル/円の波動構成は、波の重なりが多いチョッピー(choppy)なものです。これはつまり、過去1年余りのドル/円上昇が推進波(5波構成)ではなく、修正波としてのB波であることを意味するものです。

B波自体が完成していない、ということはありそうです。この場合、ドル/円は一時的にも152円-154円を付ける可能性があります。ただしそれは不規則天井[イレギュラートップ]であり、その動きを以てB波は完成します(チャート上ではAltと記しています)。

このB波を経て、C波によるドル/円下落が始まることになります。このC波によってドル/円は、おそらく[135円-130円]を目指すでしょう。
 
【日足・エリオット波動分析】
現在、波動カウントには複数のオプションがあります。主なものとしては以下に示す二通りです。

(波動カウント1)

151.872円(11/13)からはC波によるドル安・円高です。140.244円(12/28)から足元までのリバウンドⓧ波は間もなく終了し、140.244円を下回る展開となるでしょう。

(波動カウント2)
いったんドル/円は151.872円を上回り、不規則天井[イレギュラートップ]を形成します。それを以て、23年1月以来続く修正波・B波は終わります。その後はC波によるドル安・円高の流れとなるでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】 
140.244円(12/28)以来のドル/円上昇「ⓧ波」は[ダブル・ジグザグ]であり、146.431円(3/8)からは2番目のジグザグ(a-b-c)におけるc波とみなします。

c波は昨年11月高値(151.872円)を一時的に上回るかもしれません。
例えばⓧ波内の二つのジグザグが等しく上がると仮定すると、上値メドは[154.363円]になります。

ⓧ波終了後にはⓨ波によるドル/円下落が見込まれます。それは140.244円を試すことになるでしょう。

【3月26日8:55更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
23年10月高値(107.348)からはC波によるドル安に位置付けられ、このC波は5波構成(マルi波~マルv波)になります。

104.976(2/14)以来、マルiii波によるドル安トレンドが進行中とみられ、さらに102.358(3/8)からは、マルiii波中第(ii)波のリバウンドと思われます。この見方によれば、ドル指数はまもなくリバウンドを終えて第(iii)波の下落を始めるでしょう。

重要な高値や安値というのは、「第3波」によって破られることが珍しくありません。
おそらく現行マルiii波によって23年7月安値(99.578)は破られ、[98.245]が試されるでしょう。

[98.245]…マルiii波がマルi波と等しく下がる水準

(オルタナティブ・カウント)
昨年12月以来のマルii波が依然進行中です。この見方によると、ドル指数はいったん104.796を上回るでしょう。その動きを以てマルii波は終わり、マルiii波の下落局面に移るでしょう。
【3月26日8:03更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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