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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※3月19日更新

2024/03/19 11:50

宮田レポートPDF

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YouTube エリオットView 3月18日 [NYダウ天井説 日経平均「戻り売り」?]

(おことわり)
都合により次回号の発行は26日(火)の予定です。予めご了承ください。


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~39,800円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,500~39,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~105.000



[日経平均]
世界金融危機の底値を付けた08年10月以降、日経平均はおよそ4年周期で底入れしてきました。
コロナショック底(20年3月)を起点とする現行の4年サイクルは、3月7日の40,472円で天井を付けました。今は4年サイクル底に向けた下げ局面であり、底打ちは早ければ3月中ですが、よりふさわしいのは6月頃です。


【週足・エリオット波動分析】
TOPIXは89年高値『2886.50』まで一定の距離を残しますが─現状のNT倍率(14.59倍)からみるとTOPIXが最高値に並ぶには日経平均で42,000円程度が必要とされます─今年後半から来年にかけての最高値更新は可能でしょう。

3月7日高値の40,472円を以て➂-(3)波「サード・オブ・サード」は終わったとみています。それは今月のマンスリー・フォーカス(No38)で指摘したチャート節目[40,478円]に一致しており、➂-(3)波天井(4年サイクル高値)にふさわしい水準です。

3月7日高値からは➂-(4)波による調整が進行中です。➂-(2)波が時間をかけての調整だったため、➂-(4)波は[ジグザグ]のような、単純かつスピード感を伴う急落になるでしょう。日経平均は第(4)波により、高値から10%-20%(4千円~8千円)程度下げる可能性があります。

第(4)波の下値メドにはいくつかのオプションがあります。
手始めに、22年3月─コア30の第(3)波上昇開始時─の日経平均安値・24,681円に着目しました。
そこから2年後の高値・40472円までの通算上昇幅は15,791円です。その23.6%、あるいは38.2%を引き返すと仮定してみると、 [36,745円][34,440円]が第(4)波安値の候補となります。下げ幅と下げ率は各々、「3千700円、9.1%」、「6千円、15%」です。後者に関しては、➂-(2)波の下げ幅とほぼ同等です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
22年6月安値(25,520円)以来の第(3)波における最後の上昇局面(第5波)は、40,472円(3/7高値)を以て終わり、そこから第(4)波の調整に入った可能性が高いとみています。

日経平均の移動平均総合かい離は41.32%(3/4)をピークに縮小に転じました※。
23年6月19日に第3波高値(33,772円)を付けた日経平均は、10月4日の安値(30,487円)まで3カ月半で10%近く下げています。第4波による調整が進むさなか、総合かい離は6月14日(42.27%)から10月26日(-7.46%)まで縮小しました。
※直近の総合かい離…30.65%(3/18)

今回の第(4)波は第4波の一つ上位の等級(ディグリー)に当たり、下げの規模は一回り大きくなると想定するのが適当です。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
40,472円(3/7高値)以来、第(4)波による調整が進行中とみられます。

日経平均は4日間でトータル2200円急落し、38,271円(3/12安値)から第(ii)波によるリバウンドに入りました。3月18日の上げ幅は1000円を超え、第(i)波の下げ幅に対し3分の2を回復しました。この日の急反発に関しては『19日のマイナス金利解除が織り込まれ「円高・株安」の過度な懸念が和らぎ見直し買いが入ったため』と解説されていますが、本当のところはおそらく、決定会合前に売りポジションの手仕舞いが急がれたことによるものでしょう。

そんなショートカバーが一巡し、ここからはいつ第(iii)波による下落が始まってもおかしくない、と思われます。39,147円(3/13高値)を一時的にも下回ると、それは第(iii)波入りの可能性を高めます。

なお先に書いた下値メドとは別に、 レッサー・ディグリーマルiv波の領域[36,984円-35,371円]も、第(4)波安値の候補として注目できます。
【3月18日 16:34更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)からの上昇は(B)-C波に当たり、それは終わったか終わりつつある、とみています。

現行(B)波の上昇が終わると(C)波による下落トレンドへの移行が想定されます。
(C)波は5つ波で構成され、それは22年10月安値(28,660ドル)を下回る可能性が高いでしょう。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
23年10月安値(32,327ドル)からの(B)-C波による上昇は、その最終上昇波(マルv波)を終えたか、終えつつあります。

37,122ドル(1/18安値)からのマルv波に、転換パターンとしての[エンディング・ダイアゴナル]が形成されています。38,457ドル(3/5安値)を割ると最初の弱気トリガーが発動し、(B)-C波終了と(C)波による下げトレンド開始が示唆されます。

一方39,201ドルを上回る場合は、[エンディング・ダイアゴナル]における最終(v)波が進行中とみることができます。そうなるとNYダウの最高値更新も視野に入りますが、高値を更新しても持続性に乏しく、ピークアウトは時間の問題でしょう。

ひとたび(C)波の下落に入れば、それは22年10月安値(28,660ドル)や、さらに下方の水準へと、NYダウを押し下げる可能性が高いでしょう。
【3月15日9:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

➃-(B)波によるリバウンドは終わったか、終わりつつあります。

15,158(1/31安値)からの上昇パターンは、相場天井に先立つ[エンディング・ダイアゴナル]のようにみえます。この見方は、目先的に15,862(3/5安値)を下回ることにより強化されます。この場合、ナスダックは「速やかに」15,158(ダイアゴナル始点)まで下げることでしょう。

さらに➃-(C)波による調整は続き、ナスダックは21年~22年に相当するスケールで下げ基調を強めていくでしょう。

筆者による想定下値レンジは[12,000-10,000]です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]なら、来る(C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

3月15日にSOX指数は一時4719まで下げ、8日に付けた最高値(5217)から9.55%安くなりました。既に下げ率は昨年10月からの上昇中でもっとも大きくなっており、重要なピークを付けた可能性が示されています。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(2089)からはプライマリー第➄波であり、23年10月安値からの上昇は「➄波-5波」に相当します。➄波に続いて起きるサイクル級の調整局面は、2027-28年まで続くと思われます。
【3月19日 9:21更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。このⓍ波は、2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

23年1月(127.158円)からのⓍ波-B波によるドル/円上昇は、151.872円(11/13)を以て終わり、そこからはⓍ波-C波による下落トレンド(ドル安・円高)が進行中と思われます。このC波により、ドル/円は135円処を、あるいは125円処を目指す可能性があります。

【週足・エリオット波動分析】 
ドル/円は、22年10月高値の151.899円と、23年11月高値の151.872円で、1年越し[ダブル・トップ]を完成し、そこからC波の下落トレンド(ドル安・円高)が進行中とみられます。

さらに2月13日に付けた高値・150.840円を以て、23年末からのドル/円「リバウンド」は終わった可能性が高い、とみています。22年10月から1年4カ月越し[トリプル・トップ]を完成したことになります。

CFTC統計によると、非商業部門(ヘッジファンドが中心)による円売り合計は、16年4カ月ぶりの大きさです(2/27時点)。今のところドル/円の26週MA割れは一時的ですが、この先週末値で下回ることが普通になると、26週MAを中心にスタンスを決める傾向があるヘッジファンドは、円買い戻しを強める可能性があります。円売りが大きく膨らむ中での円買い戻しにより、ドル/円は一時的にも大きく下げると思われます。

そんな中、米ドル/円は52週MA注を試す地合いとなっていくでしょう。

(注) 26週MA…147.858円、52週MA…144.309円(執筆時点)

【日足・エリオット波動分析】
ⓧ波によるリバウンドは150.840円(2/13)で終了し、そこからⓨ波によるドル安が進行中とみられます。
このⓨ波によるドル安は少なくとも、昨年末の水準・140.244円(12/28)を下回るまで続くでしょう。

足元は200日MAがサポートとして意識され、リバウンドの動きが続いています。直近のドル/円上昇により、ヘッド・アンド・ショルダーズが形成される可能性があるでしょう。

なお150.840円を上回る場合には─筆者はその可能性は低いとみていますが─上記見通しは変更され、別の波動カウントを検討する必要があります。

【時間足・エリオット波動分析】 
150.840円(2/13)を起点に、ⓨ波による下落(米ドル安・円高)が進行中とみられます。
ⓨ波はドル/円を、140.244円(12/28)を下回る水準へ押し下げるでしょう。

146.431円(3/8)からは第ii波によるリバウンドとみられます。第ii波は短期的にも終了し、第iii波によるドル安・円高が始まるでしょう。

146.431円割れによって、[ヘッド・アンド・ショルダーズ]が完成します。ネックライン割れをきっかけにドル/円下げが加速するかもしれません。近いうちに[145.542円-144.291円]を試す可能性があります。

その反面、150.840円を上抜くケースでは、上記見通しはキャンセルされます。
【3月19日10:34更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
23年10月高値(107.348)からはC波によるドル安に位置付けられ、このC波は5波構成(マルi波~マルv波)になります。

104.976(2/14)を起点に、マルiii波によるドル安トレンドが進行中です。

重要な高値や安値というのは、「第3波」によって破られることが珍しくありません。
おそらく現行マルiii波によって23年7月安値(99.578)は破られ、[98.245]が試されるでしょう。

[98.245]…マルiii波がマルi波と等しく下がる水準

102.358(3/8安値)からのドル高は、第(ⅱ)波による戻りとみられます。短期戻り局面を経て、ドル指数は第(iii)波によるドル安を迎えるでしょう。

そんなドル安が進行する一方で、多くの通貨が対米ドルで上昇するでしょう。
【3月19日9:34更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。



宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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