マネースクエア マーケット情報

米雇用統計、NFPは大幅増。年内上げ観測が再浮上!?

2023/10/07 07:28

【ポイント】
・9月のNFPは今年1月以来の大幅増
・年内利上げの確率はほぼ五分五分に上昇
・12日発表の9月CPIに要注目

6日に発表された米国の9月雇用統計は労働市場の堅調が続いていることを示唆しました。市場ではFRBの利上げ打ち止め観測が高まりつつありましたが、雇用統計発表後には年内利上げの確率はほぼ五分五分まで上昇しました(OIS=翌日物金利スワップで48%)。

米長期金利(10年物国債利回り)は一時、4日の高値を超える4.89%まで上昇。米ドル/円は上昇して、149円台を回復しました。次は12日発表の9月CPI(消費者物価指数)に要注目でしょう。

*******
米国の9月雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が前月比33.6万人増と、前月や市場予想(17.0万人増)を大きく上回りました。7-8月分は合計で11.9万人分の上方修正でした。3カ月移動平均は26.6万人。年初来では26.0万人と、昨年平均の39.9万人/月には及びませんが、コロナ禍前の19年の平均16.3万人を引き続き上回っています。

米雇用統計 NFP

時間当たり賃金は前年比4.2%増で、ジリジリと伸びは鈍化していますが、インフレ率(8月PCEコアは前年比3.9%)を小幅ながら上回りました(=実質賃金の伸びはプラス)。<雇用者数×週平均労働時間×時間当たり賃金>で求められる総賃金指数は前年比5.6%と、前月の6.1%から伸びがやや鈍化した。

米雇用統計 時間当たり賃金とCPI

米雇用統計 総賃金

 家計調査に基づく失業率は3.8%と、前月から変わらずで、22年2月以来の高水準。(家計調査上は)雇用が8.6万人増加し、失業者は0.5万人の増加でした。労働参加率は62.8%と前月から横ばいで、コロナショック前の20年2月以来の水準に並びました。

米雇用統計 労働参加率
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ