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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※10月6日更新

2023/10/06 10:51

宮田レポートPDF版

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 30,600~32,400円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 32,000~34,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 12,500~14,150

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~150.000円

(おしらせ)次回の本レポート更新は、10月11日(水)を予定しております。


[日経平均]
世界金融危機の底値を付けた08年10月以降、日経平均はおよそ4年周期で底入れしており、現在の相場はコロナショック底(20年3月)を起点とする4年サイクルの中にあります。

23年9月15日にTOPIXは33年ぶり高値を更新しました。同じ日に付けた33,634円を以て、日経平均の4年サイクルは天井を付けたとみられます(名目上の高値は23年6月19日の33,772円)。以来、TOPIXと日経平均は4年サイクル底に向けた調整が進行中と考えられます。

現行4年サイクルが終わる(底打ちする)時期として、24年1月~3月が有力視されます。
ただし早ければ年内に底入れするかもしれません。


【週足・エリオット波動分析】
今年の大発会安値(25,661円)は、コロナショック底(20年3月)から34ヵ月後(フィボナッチ数)に付けた、重要な二番底に当たります。以来、ダイナミックな第(3)波が進行中とみています。

第(3)波中の第1波は9月高値(33,634円)で完了したとみられます。第1波内の最終上昇波(マルv波)は6月に付けたマルiii波高値(33,772円)を抜けることに失敗した「フェイラー」と解釈できます。

9月からの調整は、第(3)波中の第2波に位置付けられます。

【TOPIX日足・エリオット波動分析】
大発会に付けた安値(1862)を起点とする、五波構成による上昇第1波は、2438(9/15高値)を以て終了し、そこからは第2波の下げとみられます。

10月4日には、7月以来およそ3カ月ぶり安値をつけました。この日のTOPIX安値(2217)は、年初からの上昇に対する38.2%押し水準(2218)に相当するものでした。

加えてこの日は騰落レシオが90%を下回り(87.6%)、日経平均総合かい離(25日MA+75日MA+200日MA)が1月16日(マイナス13%)以来で初めてマイナス10%を超えるなど、目先の下がり過ぎが示されています。

5日は大きく反発しましたが、この動きはおそらく第2波におけるⓑ波リバウンドの一環とみられます。
ⓑ波の戻りメドとして、ⓐ波(9/15⇒10/4)の38.2%-61.8%戻し[2301-2353]が想定されます。


【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
9月15日高値(33,634円)から10月4日安値(30,487円)にかけて、日経平均の下げ幅は3100円を上回り、下げ率は9%を超えました。このような急激な変動(急落)は、まさに第2波の特徴を示すものです。

短期的な下げ過ぎ感から、翌5日は大きく反発しました。
第2波中最初の下落(ⓐ波)はひとまず終わり、第2波のⓑ波によるリバウンドに入ったとみられます。

ⓑ波はⓐ波の下げ幅に対し38.2%-61.8%を戻すでしょう。計算すると、[31,689円-32,432円]がⓑ波のターゲット価格帯となります。
【10月6日 7:55更新】



[NYダウ] 


【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。
➃波はトライアングルやダブル・スリーなど、この波動位置ならではの複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月以来のリバウンド(B)波は35,679ドル(8/1高値)を以て終わり、そこから下落(C)波が進行中とみられます。

上述のように、22年1月からの➃波自体は複雑なパターンになるとみられます。
暫定的に、➃波がトライアングル((A)波~(E)波))になるとしましょう。この場合、現在の下落((➃波中(C)波))は22年安値(28,660ドル)を下回るような展開にはならないでしょう。

直近安値32,873ドル(10/4)は、20年3月安値からのサポートライン、及び、後述する黄金比サポート、これらに合致しています。短期的には下げ止まりから反発の動きとなっておかしくないでしょう。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
昨年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波は、35,679ドル(8/1高値)を以て終わったとみられます。(B)波はA波(↗)-B波(→)-C波(↗)の三波構成であり、その内B波は[(バリアー) トライアングル]と解釈されます。

8月高値からは(C)波の下落に位置付けられます。

直近安値(32,873ドル)は、(B)波の上げ幅に対する38.2%押し水準[32,998ドル]に相当しており、目先底を付けてもおかしくありません。この場合は短期的なリバウンド入りとなりそうです。

なお今のところ筆者は、3万3000ドル処は(C)波の最終ボトムにはならず、短期的なリバウンドを終了してからは、下値模索が再開する可能性をみています。
【10月6日 8:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からの調整は、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像としては、トライアングルに代表される保ち合い相場になることが見込まれます。

22年12月安値・10,207を起点とする上昇は、➃-(B)波に位置付けられます。それは[ダブル・ジグザグ]((W)-(X)-(Y))を形成する可能性があり、この見方によると7月高値・14,446からは(X)波に当たります。

9月27日には一時12,963まで下げ、目先サポート [12,827](22年12月からの上昇に対する38.2%押し)に近づきました。いったん下げ止まっておかしくないでしょう。

下げ継続の場合は200日MAがサポートとなるでしょう。

※200日MA…12,566(10/5)

なお7月からのナスダック調整は(SOX指数も)、ドルインデックス上昇と米金利上昇と歩調を合わせています。ドル高≒金利高がハイテク株売りにつながる構図です。筆者の見方によれば、米ドル高と米金利高の終了は近く、ハイテク株の出直りも接近していると思われます。

(X)波を完了すると、ナスダックは次のジグザグ(Y)波による上昇局面を迎えるでしょう。この(Y)波は7月高値(14,446)を上回ることが予想されます。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
昨年10月安値(2089)以来の上昇は➃波中(B)波の上昇に位置付けられます。この(B)波はナスダックと同じく[ダブル・ジグザグ]パターンを形成中とみられます。

7月以来の調整は(X)波とみられ、それは200日MA(※)付近を打診する可能性はありますが、底入れのときは近いと思われます。

なお最近は米長期金利が上昇傾向を強める中でも、半導体株などグロース株は戻り歩調となっています。これは相場の基調変化を先取りする動きかもしれません。

(※) 200日MA…3246(10/5)
【10月6日 8:34更新】




[米ドル/円]

2011年10月に付けた75.570円を起点とする、(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安は、151.899円(22/10/21)を以て終わったとみています。この先はおそらく2028年頃まで、米ドル/円はレンジ相場を形成していくでしょう。

【月足・エリオット波動分析】 
通算11年間の(A)-(B)-(C)円安は一括りでⓌ波とラベリングされ、22年10月以来の円高局面はⓍ波とカウントされます。

Ⓧ波は2028年頃まで4~5年間にわたり、大きなレンジ相場を形成するとみています。

Ⓧ波中、最初の米ドル安・円高トレンド・A波は127.158円(1/16)を以て終わり、そこからはB波のリバウンドに位置付けられます。後述するように、10月3日に付けた150.146円を以て、B波は終わったかもしれません。

B波完了後に続く米ドル安・円高トレンド・C波は、2015年6月の [125.860円]、Ⓦ波の38.2%戻り水準である[122.741円]、これらを目指すでしょう。

【週足・エリオット波動分析】 
年初に立てた、筆者による年間想定レンジは[125円-150円](中央値137.500円)です。
1月16日に付けた127.158円は、レンジ下限に近いものでした。
一方、10月3日に付けた150.146円は想定レンジの上限にあります。1月から続く米ドル/円の上昇基調は、ここからいつ下落基調に転換しておかしくないとみています。

127.158円(1/16)からの米ドル高・円安B波の内部構造は、波の重複が多い(オーバーラップ)[上昇ウェッジ](ⓦ-ⓧ-ⓨ-ⓧ-ⓩ)です。その内、137.239円(7/14)からはⓩ波に相当します。

【時間足・エリオット波動分析】 
137.239円(7/14)から直近にかけての米ドル/円上昇は、B波-ⓩ波とカウントできます。
このⓩ波内部構造は[ジグザグ](a)-(b)-(c)とみられます。(a)波[リーディング・ダイアゴナル]は146.542円(8/17)で、(b)波[エクスパンディッド・フラット]は144.398円(9/1)で各々完成し、そこからの米ドル/円上昇は(c)波に位置付けられます。

150.146円(1/3)を以て(c)波は完成した可能性があり、147.581円(10/3)を下回ると基調転換の可能性は高まります。

一方147.581円を維持する限り、1年前に付けた151.899円を試す可能性は残ります。
【10月6日9:55更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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