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【PM】RBAの政策会合後、豪ドルが軟化

2024/05/07 15:35

【ポイント】
・RBA(豪中銀)声明は利上げバイアスを明確に示さず
・RBA総裁は「政策金利は適切」との認識を示す
・市場ではRBAの利上げ観測が後退しそう

本日、RBA(豪中銀)は政策会合を開き、政策金利を4.35%に据え置くことを決定しました。据え置きは4会合連続です。

政策金利の据え置きは市場予想通りだったものの、
豪ドルが軟化しました。RBAの声明やブロック総裁の会見が、予想していたほどタカ派的ではないと市場で解釈されたためと考えられます。
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豪ドル/NZドルについては、足もとの上昇はRBAの利上げ観測が浮上した(豪ドル高材料)影響が大きいと考えられます。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、本日の会合前の時点で市場は8月までに利上げが行われる確率を40%程度織り込んでいました。

本日の会合を受けて
RBAの利上げ観測は後退すると予想されます。その場合、豪ドル/NZドルはいったん下落しそうです。

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RBAは声明で、「インフレ率は鈍化しているものの、その進展は従来の予想よりも緩慢で、依然として高水準だ」と指摘。「インフレ率が持続的に目標レンジに戻るまでにはまだしばらく時間がかかる」との見方を示し、「引き続き(インフレの)上振れリスクを警戒していく」としました。RBAは四半期に一度の金融政策報告を公表し、豪州の25年6月までのインフレ率見通しを2月時点から上方修正する一方で、25年12月と26年6月については2月時点の見通しを維持しました。

RBAのインフレ率見通し。( )は2月時点の見通し
<CPI上昇率>
・24年6月:3.8%(3.3%)
・24年12月:3.8%(3.2%)
・25年6月:3.2%(3.1%)
・25年12月:2.8%(2.8%)
・26年6月:2.6%(2.6%)

<CPIのトリム平均値>
・24年6月:3.8%(3.6%)
・24年12月:3.4%(3.1%)
・25年6月:3.1%(3.0%)
・25年12月:2.8%(2.8%)
・26年6月:2.6%(2.6%)

声明は一方で、金融政策の先行きについて「何も決定しておらず、何も排除していない」と改めて表明。豪州の1-3月期のCPI(消費者物価指数)が市場予想を上回る結果だったことで市場ではRBAは利上げバイアスを復活させるとの観測がありましたが、前回3月18-19日会合の時と同じでした。

ブロック総裁は会合後の会見で、「インフレリスクを警戒する必要がある」と述べ、本日の会合では利上げの選択肢も議論したことを明らかにしました。その一方で、「インフレ率を目標に戻すうえで、(現在の政策)金利は適切な水準だ」との認識を示し、また必要なら行動するとしつつも、「必ずしも再び引き締め(追加利上げ)が必要になるとは考えていない」と述べました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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