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米雇用統計に市場が反応しそう、市場の流動性の低下には注意

2024/05/03 09:10

【ポイント】
・雇用統計で市場の米金融政策見通しが変化するか
・流動性が低下するため値動きが増幅される可能性あり

(欧米市場レビュー)

2日の欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は153.061円、ユーロ/円は164.199円、豪ドル/円は100.469円へと下落しました。本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感(※)が、円の支援材料となりました。

(※)市場は“本邦当局は4月29日と5月2日(日本時間)に為替介入を実施した可能性が高い”とみています。4月29日は日本の祝日、5月2日はパウエルFRB議長の会見直後とはいえNY時間終盤と、介入が行われたとみられるタイミングはいずれも市場の流動性が低下していた時でした。3日は日本の祝日、6日は日本が振替休日で英国が祝日(アーリー・メイ・バンク・ホリデー)のため、市場の流動性が低下します。

本日3日の『ファンダメ・ポイント』は、[為替介入への警戒続く!? 米雇用統計後の展開は?]です。

米ドルは軟調。一時、米ドル/カナダドルは1.36652カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.07254ドル、英ポンド/米ドルは1.25389ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は日本が祝日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。その分、値動きが増幅される可能性があり注意が必要です

米国の4月雇用統計が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応しそうです。

米雇用統計の市場予想は、以下の通り。( )は前回の実績です。
・非農業部門雇用者数(前月比):24.3万人増(30.3万人増)
・失業率:3.8%(3.8%)
・平均時給(前月比):0.3%(0.3%)
・平均時給(前年比):4.0%(4.1%)

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です(6月と7月のFOMCについては政策金利の据え置きを予想)。

雇用統計が市場予想よりも強い結果になれば、利下げ観測が後退するととともに、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。ユーロ/米ドルは、1.05999ドル(4/16安値)が目先の下値メドです。

米国の4月ISM非製造業景況指数も発表されます(日本時間23:00)。ISM非製造業景況指数の市場予想は52.0と、3月の51.4から上昇して、業況判断の分れ目である50を引き続き上回るとみられています。市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。

※6日についても「デイリーフラッシュ」は通常通りの配信予定です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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