ドルが軟調、中東情勢をめぐる懸念が後退
2026/04/01 08:59
【ポイント】
・中東情勢の行方
・原油価格の動向
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しがどのように変化するか
(欧米市場レビュー)
3月31日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は158.652円、米ドル/カナダドルは1.39050カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28528シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.15578ドル、英ポンド/米ドルは1.32586ドル、豪ドル/米ドルは0.68982米ドルへと上昇しました。
米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は30日、「トランプ米大統領は、ホルムズ海峡がほぼ封鎖されたままの状態でもイランに対する軍事作戦を終了させる意向を側近に伝えた」と報道。イラン国営通信は31日、ペゼシュキアン大統領はEU(欧州連合)のコスタ大統領との電話会談で、再び侵攻しないなどの条件が満たされるのなら「戦争を終結させる用意があると述べた」と伝えました。それらを受けて、中東情勢をめぐる懸念が後退して米ドルの重石となりました。
(本日の相場見通し)
本日は引き続き中東情勢がどうなるのかに注目です。
トランプ米大統領は米東部時間3月31日午後(日本時間4月1日午前)、ホワイトハウスで記者団に「米国は2~3週間以内にイランから撤退する可能性がある」と述べました。「それまでに(イランとの)合意が成立する可能性もある」とし、イランとの合意が紛争終結の前提条件なのかと問われると「合意を結ぶ必要はない」と応じました。
市場では、中東情勢をめぐる懸念が一段と後退するかもしれません。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。
原油価格の動向にも注目です。米WTI原油先物は3月31日、4営業日ぶりに下落。中心限月5月物は前日比1.50ドル安(-1.5%)の1バレル=101.38ドルで取引を終えました。
上述の米紙WSJやイラン国営通信の報道によって、中東での紛争終結への期待が高まったことが、WTI原油先物への下押し圧力となりました。
原油価格の下落は、ノルウェークローネなど産油国の通貨にとってマイナスと考えられます。WTI原油先物などが引き続き軟調に推移した場合、産油国の通貨は上値の重い展開になりそうです。
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本日は、米国の経済指標が多く発表されます。
市場予想は以下のとおり。( )は前月の実績です。
・ADP雇用統計(前月比):4.0万人増(6.3万人増)
・ISM製造業景況指数:52.3(52.4)
・小売売上高(前月比):0.5%(マイナス0.2%)
・小売売上高(自動車を除く、前月比):0.3%(0.0%)
3月30日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を受け、市場ではFRBによる利下げ観測が再び浮上しました。
※詳しくは、3月31日の『ファンダメ・ポイント』[パウエル発言で米利下げ観測が復活!?]をご覧ください。
米経済指標が市場予想を下回る結果になれば、利下げ観測が強まると考えられます。その場合、米ドルにとってのマイナス材料になりそうです。
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