米ドル/円が150円台へ上昇し約4カ月ぶりの高値
2025/08/01 09:15
【ポイント】
・米雇用統計などで市場のFRB利下げ観測が一段と後退するか
・トランプ大統領は対メキシコ関税の引き上げを90日間延期
・対カナダ関税については25%から35%に引き上げへ
(欧米市場レビュー)
7月31日、欧米時間の外為市場では円が全面安の展開。米ドル/円は一時150.799円へと上昇し、3月28日以来およそ4カ月ぶりの高値を記録。ユーロ/円は172.285円、豪ドル/円は96.925円、NZドル/円は88.836円へと上昇する場面がありました。
日銀は政策金利を0.50%に据え置くことを決定しました。植田総裁は会合後の会見で「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げる」との方針を改めて示しました。ただ、植田総裁の会見は全般的にハト派的な内容と市場は見なしたようです。
トランプ米大統領は自身のSNSで、対メキシコ関税の25%から30%への引き上げを8月1日から90日間延期すると表明しました。USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)準拠品については引き続き関税が免除されます。
トランプ大統領はまた、8月1日から対カナダ関税を25%から35%に引き上げるとの大統領令に署名しました。ただし、USMCA準拠品についてはメキシコの場合と同様に引き続き関税が免除されます。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の7月雇用統計や7月ISM製造業景況指数が発表されます。前者は日本時間21時30分に、後者は同23時に発表され、それらの結果が材料になりそうです。
雇用統計の市場予想は失業率が4.2%、非農業部門雇用者数が前月比10.4万人増。ISM製造業景況指数の市場予想は49.5です。失業率は前月の4.1%から悪化し、雇用者数は前月の14.7万人から伸びが鈍化するとみられています。一方でISM製造業景況指数は、業況判断の分かれ目である50を引き続き下回るものの、前月の49.0から上昇するとみられています。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを見送るとの観測がやや高まっています。
雇用統計やISM製造業景況指数が市場予想と比べて強い結果になれば、FRBによる利下げ観測が一段と後退するとともに米ドルが堅調に推移しそう。その場合には米ドル/円や米ドル/カナダドルが上昇し、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルは下落すると考えられます。英ポンド/米ドルは、5月12日安値の1.31381ドルが下値メドです。
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