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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月25日更新

2025/04/25 09:25

宮田レポート(短期アップデート)/250425_miyata.pdf


(おしらせ)次回号リリースは5月2日(金)の予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 31,500~36,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,200ドル
            (S&P500) 4600~5750
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,300

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~146.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~103.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
4月7日の安値(30,792円)は、インターミディエイト級(1)波高値(30,795円)を3円だけ侵犯し、1波と4波が重ならない「ノーオーバーラップ」の原則に抵触しました。一方TOPIXの1波と4波は重ならず、4月7日安値(2243)は24年8月底(2206)に対し切り上がりました。
このような、日経平均とTOPIXの間の「未確認」は底入れのサインとして注目できます。

4月7日の東証プライム市場出来高は36億6374万株に急増し、24年8月底(40億9000万株)に次ぐ大きさでした。TOPIXはセリングクライマックス型の「二番底」を付けた可能性が高い、とみられます。

日経平均は、重要サポートとしての200週MAを週末値で維持しており、プライマリー上昇➂波は依然続いている、とみることができます。後述するように、日経平均はインターミディエイト級第(4)波の調整を終え、第(5)波の上昇を始めた可能性があります



【日足・時間足 エリオット波動分析】
30,792円(4/7安値)を以て、24年7月高値(42,426円)からのインターミディエイト級(4)波「フラット」は、完成した可能性があります。

当面の上値レンジとして、[35,595円~36,728円](24年12月高値40,398円からの下げ半値戻り~61.8%戻り)が想定されます。4月24日には一時35,287円まで上昇、想定レンジの下限に近付きました。

この先、リバウンドが強まる中で「やれやれの売り」圧力も強まると思われます。4月7日に底打ちした可能性は高いものの、(24年8月底直後のような)V字型回復は望み薄でしょう。第(5)波としての上昇基調が強まるまでには、相応の時間が必要でしょう。

(オルタナティブ・カウント)
30,792円を下抜くと以下の波動カウントに切り替えます。
24年8月からの上昇第(5)波は40,398円(12/27高値)を以て終わり─”truncated fifth”(短縮された5波)─プライマリー級の➃波による調整が進行中とみられます。この場合日経平均は、いずれ2万7000円処(PBR1倍水準)を試す可能性があります。

[予想PER別の日経平均水準]
4月24日の日経平均予想PERは14.23倍、予想EPSは2462円
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
4月7日には一時36,611ドルまで下げ、22年から上昇の半値押し[36,807ドル]を達成しました。昨年末に想定した通り、NYダウの調整規模は22年10月以降最大に拡大したわけです。

足元の上昇は第(4)波、あるいは第(2)波によるリバウンド局面に位置付けられます。
200日MA(42,203ドル)付近までの戻り余地は引き続きあるものの─そのハードルは高くなっていますが─リバウンド後に到来する下落局面に要注意です

200日MA水準まで戻り切れない代わり、トライアングルのような横ばいの動きが今後2~3週間にわたり続く可能性もあります。もしそうなれば、足元の波動位置が第(4)波であることの傍証になります。

弱基調は続いているとみられ、今後数週間から数カ月の内に36,611ドルを下抜く展開が想定されます

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、より大きな下落スケールになると思われます。試みに最高値から22.4%下げる水準を求めると[34,977ドル]です。この付近には[34,930ドル](22年からの61.8%押し水準)があることからも、3万5000ドル処は中期下値目標として適当とみられます。

【S&P500週足 エリオット波動分析】 
筆者の長期的な波動カウントは、22年1月高値(4818)以来、プライマリー級➃波による調整(A)-(B)-(C)が進行中というものです。そのうち(B)波は最高値を更新し続け、今年の高値を以て「イレギュラートップ」を終了しました。そこからは(C)波による下落が進行中とみられます。

➃波中の(A)波は27.84%下げました。(C)波も同率で下げるとすれば、下値メドは[4435]となります。
➃波が「エクスパンディッド・フラット」になる可能性にも留意しておかなければなりません。この場合には、(C)波安値は、(A)波安値[3491]を下抜くことになります。

(C)波の完了を以てプライマリー級➃波のすべてが完成し、数年単位の強気トレンド(プライマリー級の第➄波)が開始されるでしょう。ハイテク株で構成されるナスダックとは違い、ハイテク株と非ハイテク株のハイブリッドであるS&P500は、いずれ最高値を更新する可能性もありそうです。

4835(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドとみられます。
4月24日に一時5489まで上昇し、フィボナッチ・リトレースメントレンジ[5491-5646](2月からの下落の50%-61.8%戻り)の下限に近付きました。リバウンドが継続すれば、同レンジの上限や、さらには200日MA(5747)試しがあるかもしれません。もっともリバウンド終了後には第(3)波による急落となる点には引き続き注意が必要です


[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック総合指数(以下、ナスダック)は、24年12月安値(20,204)からサイクル級の調整が進行中とみられます。

21年~22年のプライマリー➃波の下げ率(37.77%)は、ほぼフィボナッチ比率(38.2%)でした。
今後1~2年という期間でみると、 [12,527] (24年12月高値から38%下げる水準)へ下押す可能性もあるでしょう。

さらに、先々➃波安値[10,088]への下値試しとなる可能性にも留意するべきでしょう。サイクル級の調整は、プライマリー級より上位の波動等級(ディグリー)であり、ディグリーが大きくなるに従い調整スケールも大きくなるのが通常です。

14,784(4/7安値)からの第(2)波によるリバウンドは、まだ続いているかもしれません。もっとも、リバウンド完了後には第(3)波の下落によって、14,784を下抜く可能性に注意が必要です。





【時間足 エリオット波動分析】
14,784(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドとみられます。
リバウンドの想定レンジは[17,447-18,075](2月からの下げに対する50%-61.8%戻り)です。このレンジ上限からやや上に、第(1)波のレッサー・ディグリー4波高値18,281(3/25)、200日MA(18,344)などが控えます。今のところ4月安値からの戻り高値は17,202(4/9)です。

この波動カウントによれば、第(2)波リバウンドを経て第(3)波の下落が続くことになります。そして、この第(3)波は14,784を明確に下抜く見込みです。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.425円(4月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから下放れ始め─上述したセンターライン➀では底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試す展開となりそうです。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.800円(4月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)がまずは想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

4月22日には一時139.877円と24年9月の139.565円に迫っています。ドル/円は短期リバウンドを経て、5月にも[138.517円-136.452円]を試してもおかしくないでしょう

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
151.191円(3/28)からの第3波によるドル安・円高は、139.877円(4/22)で終わった可能性があります。
そうであれば、足元は第4波によるリバウンドに位置付けられます。
この第4波の高値が第1波安値146.493円と重なることはありません(重なれば別の波動カウントが必要です)。

第4波を終了後は第5波によるドル安・円高に移り、それは139.565円を明確に下抜くでしょう




金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[145.282円]です。

投機筋の円買い持ち高が過去最大に(2025年4月15日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は2週続けて急増しました。円買い持ちは前週の128.07億ドルから151.08億ドルと過去最大の水準を更新しました。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
ドル指数は4月21日安値(97.921)で、フィボナッチ・サポート[97.939](08年からのドル高に対する38.2%戻り水準)を達成しました。予想された通りドル安は一服し、足元はリバウンドの動きがみられます。このリバウンドはC波中マルiv波に相当すると思われます。

マルii波がジグザグだったことから、マルiv波は保ち合い相場となりやすいでしょう。保ち合いの後には、C波中マルv波のドル安基調が再開し、[94.976](A=C)を試すことでしょう。

一方、C波自体が終了している可能性もあります。この場合、22年からのA-B-Cジグザグは完成し、それに続く(X)波に入ったとみられます。(X)波によってドル指数は、今後の数カ月タームで上昇するでしょう。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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