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CPIに豪ドルとメキシコペソが反応!?

2024/04/24 08:51

【ポイント】
・「介入の環境が整った」?
・豪CPIは市場予想からかい離する結果になるか
・メキシコのCPIBOMの追加利下げの可能性を低下させるか

(欧米市場レビュー)

23日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は154.835円、ユーロ/円は165.729円、豪ドル/円は100.375円、カナダドル/円は113.273円へと上昇し、ユーロ/円は08年8月以来、カナダドル/円は08年1月以来の高値をつけました。欧米の主要な株価指数が堅調に推移する中でリスクオン(リスク選好)の動きが強まったことが、円安圧力となりました。

米ドルも対円を除いて軟調。一時、ユーロ/米ドルは1.07058ドル、豪ドル/米ドルは0.64849米ドルへと上昇し、米ドル/カナダドルは1.36557カナダドルへと下落しました。米国の4月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が49.9と、市場予想の52.0を下回ったことが、米ドルの重石となりました。

英ポンドは堅調。ユーロ/英ポンドは0.85933ポンドへと下落しました。英国の4月サービス部門PMI速報値が54.9と、市場予想の53.0を上回ったことや、BOE(英中銀)のピル・チーフエコノミスト兼MPC(金融政策委員会)委員のタカ派的な発言が、英ポンドの支援材料となりました。

ピル・チーフエコノミストは講演で、「(BOEの)利下げは、遅すぎるリスクよりも早すぎるリスクの方が大きい」、「(英国の)インフレ率は今後数カ月で2%の目標を下回りそうだが、年内に再び上昇する可能性が高い」、「政策金利について(景気)抑制的なスタンスを維持することが適切」、「利下げのタイミングは若干近づいたが、利下げはまだ先だ」などと述べました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の3月耐久財受注が発表されます(日本時間21:30)。耐久財受注の市場予想は前月比2.5%、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の市場予想は同0.2%です。市場予想からかい離する結果になれば、市場が反応しそう。仮に市場予想を上回る結果の場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になる可能性があります。

米ドル/円の上昇に弾みがつく場合、本邦当局の対応(為替介入に踏み切るかどうか)に引き続き注目です。鈴木財務相は23日に介入の環境が整った旨の発言をしました。仮に為替介入(米ドル売り・円買い介入)が実施されれば、米ドル/円が下落して、それにクロス円も引きずられると考えられます。

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豪州の1-3月期CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間10:30)。総合指数の市場予想は前年比3.5%と、RBA(豪中銀)のインフレ目標である2~3%を引き続き上回るものの、23年10-12月期の4.1%から伸びが鈍化すると予想されています。また、RBAがコアインフレとして注視するCPIトリム平均値の市場予想は3.8%と、上昇率は23年10-12月期の4.2%から鈍化するとみられています。

1-3月期のCPIと同時刻に3月(月次)のCPIも発表されます。月次のCPIがカバーする品目は四半期分の3分の2程度であり、そのことに留意する必要はあります。3月CPIの市場予想は前年比3.4%と、上昇率は2月と同じになるとみられています。

1-3月期や3月のCPIが市場予想からかい離する結果になれば、豪ドルが反応しそう。市場予想を下回る場合、豪ドルが軟調に推移して、豪ドル/NZドル1.08502NZドル(3/29安値)に向かって下落する可能性があります。

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メキシコの4月前半のCPIが本日発表されます(日本時間21:00)。その結果にメキシコペソが反応する可能性があります。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比4.48%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同4.39%です。

BOM(メキシコ中銀)は前回3月21日の政策会合で0.25%の利下げを行い、政策金利を11.25%から11.00%へ引き下げました。そのことについてヒース副総裁は4月19日、「3月の利下げは微調整であり、必ずしも利下げサイクルの始まりを意味しない」との認識を示し、「5月の会合では政策金利を据え置く可能性が高く、6月の会合はデータ次第」と述べました。

メキシコのCPIが市場予想を上回る結果になれば、BOMが追加利下げを行う可能性が低下するとともに、メキシコペソにとってプラスになりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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