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イラン攻撃中止で米ドルが軟調

2026/06/12 09:13

【ポイント】
・トランプ大統領の主張をイラン外務省は否定、イラン情勢には引き続き要注意
・米経済指標でFRBの利上げ観測が強まるか
・本邦当局の対米ドルでの円安への対応は?

(欧米市場レビュー)

11日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は159.563円、米ドル/シンガポールドルは1.28290シンガポールへと下落し、ユーロ/米ドルは1.11853ドル、英ポンド/米ドルは1.34275ドル、豪ドル/米ドルは0.70497米ドルへと上昇しました。トランプ米大統領が米東部時間11日午後、自身のSNSで「イランとの協議内容がイラン最高指導部レベルへと持ち込まれて承認された」とし、「今夜予定していたイランに対する攻撃を中止した」と表明。そのことが安全資産とされる米ドルにとってマイナスになりました。

ノルウェークローネも軟調に推移し、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.99420スウェーデンクローナへと下落。原油価格の下落がノルウェークローネへの下押し圧力となりました。

米WTI原油先物の中心限月7月物は、前日比2.32ドル安(-2.6%)の1バレル=87.71ドルで取引を終了。トランプ大統領がイラン攻撃の中止を表明したことが、WTI原油先物の下落要因となりました(日本時間12日の時間外取引で一時86ドルを割り込みました)。

ECB(欧州中銀)は0.25%の利上げを行うことを決定。ECBが最も重視する中銀預金金利は2.00%から2.25%へ、残りの2つ、主要リファイナンス金利は2.15%から2.40%へ、限界貸出金利は2.40%から2.65%へとそれぞれ引き上げられました。

※ECB理事会の結果について詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[ECBは次回7月に追加利上げも⁉]をご覧ください。

TCMB(トルコ中銀)は政策金利を37.00%へと据え置きました。TCMBが政策金利を据え置いたのは3会合連続です。

TCMBの声明では、先行きの金融政策について以下の方針が改めて示されました。
・物価安定が達成されるまで引き締め的な金融政策スタンスを維持する
・実際のインフレ率やインフレ期待、およびそれらの基調を踏まえ、中間目標に沿ったディスインフレの道筋に必要な引き締め度合いを確保するように政策金利を決定する
・金融政策の決定は、インフレ見通しを重視しつつ会合ごとに慎重に行う
・インフレ見通しが顕著かつ持続的に悪化した場合、金融政策スタンスを引き締める

(本日の相場見通し)

引き続き中東情勢を注視する必要がありそうです。

上述のとおりトランプ大統領は11日、イラン攻撃を中止した理由を「イランの最高指導部レベルが米国との協議内容を承認したため」と自身のSNSで説明しました。

トランプ大統領はその後、ホワイトハウスで記者団に対し、「早ければ今週末に欧州で(イランとの)覚書への署名が行われる可能性がある」と述べ、イランの最高指導者モジタバ師は覚書を承認したとの認識を示しました。また、イランは核兵器を持たないことに同意したとも語りました。

イラン外務省のバガイ報道官はトランプ大統領の発言を否定。「イランは覚書についてまだ最終決定をしていない」と述べ、「レッドライン(譲れない一線)については妥協しない」と強調しました。

トランプ大統領の発言やメディア報道などによって中東情勢をめぐる懸念が再び強まるようなら、安全資産とされる米ドルが堅調に推移し、原油価格には上昇圧力が加わりそう。原油価格が上昇した場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは上値を試す展開になるとみられます。

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米国の6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が本日発表されます(日本時間23:00)。

ミシガン大学消費者信頼感指数の市場予想は46.0と、前月確報値の44.8から上昇するとみられています。
1年先と5年先のインフレ期待の結果にも注目です。5月確報値は1年先が4.8%、5年先が3.9%でした(6月分の市場予想なし)。

市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)は12月までに利上げを行うとの見方が有力です。ミシガン大学消費者信頼感指数が強い結果になれば、その見方が強まるとともに、米ドルにとってプラスになりそう。英ポンド/米ドルの目先の下値メドとして、5月18日安値の1.33013ドルが挙げられます。

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本邦当局の対米ドルでの円安への対応にも引き続き注目です。本邦当局による為替介入が再度実施される、あるいはその準備ともされるレートチェックがあれば、米ドル/円が大きく下落するとみられます。その場合にはユーロ/円や豪ドル/円などは米ドル/円に引きずられると考えられます。

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本日はECB(欧州中銀)理事会メンバーの発言機会があります。ナーゲル・ドイツ連銀総裁レーン・フィンランド中銀総裁コッハー・オーストリア中銀総裁がそれぞれ講演する予定です。講演では、ECBの先行きの金融政策についてのヒントが提供されるかどうかに注目です。

ECBは11日の理事会で0.25%の利上げを行いました。市場では次回7月23日の理事会で追加利上げをするとの観測があります。

ナーゲル総裁らが追加利上げに前向きな姿勢を示せば、ECBの追加利上げ観測が市場で強まりそう。その場合、ユーロが堅調に推移すると考えられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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