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FOMCとBOCはともに利下げ!? 今後は?

2025/10/29 08:58

【ポイント】
FOMCの声明や議長会見で市場の金融政策見通しがどのように変化するか
BOCの声明や総裁会見で今後さらに利下げする可能性が示されるか

(欧米市場レビュー)

28日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.39326カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.29313シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16631ドル、豪ドル/米ドルは0.65851米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が軟調に推移したことが、米ドルの重石となりました。

堅調。一時米ドル/円は151.748円、ユーロ/円は176.985円、NZドル/円は87.522円へと下落しました。ベッセント米財務長官が日銀による利上げを促す発言をしたと市場は受け止めて、円の支援材料となったようです。米財務省の声明によると、ベッセント財務長官は27日の片山財務相との会談で「インフレ期待を安定させ為替レートの過度な変動を防ぐうえで、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが重要な役割を果たすと強調した」とのこと。

一方、片山財務相は日米財務相会談について「直接的に金融調節をどうすべきだというような話は全然なかった」と述べ、米財務省の声明については「(日銀による利上げを)促すということではないと思う」と答えました。

米WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙は、関係筋の話として「中国がフェンタニル(合成麻薬)の原料となる化学物質の輸出を取り締まれば、米国はフェンタニル関連の対中関税を最大10%引き下げる可能性がある」と報じました。30日に韓国で開催される米中首脳会談で協議されるとのこと。

米国はフェンタニルの流入を理由に2月に中国からの輸入品に対して10%の追加関税を課し、3月にさらに10%引き上げました。米国のフェンタニル関連の対中追加関税の税率は現在20です。

(本日の相場見通し)

本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。FOMCの結果は日本時間30日3時に判明し、3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見する予定。それらに市場が反応しそうです。

FRBは前回9月16-17日のFOMCで今年初めて利下げすることを決定。政策金利を4.25~4.50%から4.00~4.25%に引き下げました(0.25%の利下げ)。

市場は、本日のFOMCでさらに0.25%の利下げが行われることをほぼ確実視しています。そのとおりの結果になれば、FOMCの声明やパウエル議長の会見が材料になりそうです。

市場では、FRBは次回12月9-10日のFOMCでも0.25%利下げするとの見方が大勢。その後も利下げを行うとの観測があります。

パウエル議長が会見で早期の追加利下げに慎重な姿勢を示せば、米ドルが堅調に推移しそう。米ドル/円や米ドル/シンガポールドルは上昇し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下落すると考えられます。米ドル/シンガポールドルの上値メドとして、200日移動平均線(28日時点で1.30479シンガポールドル)が挙げられます。

***

BOC(カナダ中銀)が本日政策会合を開きます。会合の結果は日本時間22時45分に判明し、23時30分からマックレムBOC総裁が会見する予定です。

BOCは24年6月から今年3月まで、7会合連続合計2.25%の利下げを実施。その後は4月・6月・7月と3会合連続で政策金利を据え置いたものの、前回9月17日の会合で再び利下げに踏み切り(幅は0.25%)、現在の政策金利は2.50%です。

市場では、本日の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの見方が有力です。そのとおりの結果になれば、BOCの声明やマックレム総裁の会見で今後さらに利下げを行う可能性が示されるかに注目です。マックレム総裁は前回9月会合後の会見で「リスクが一段と傾く場合、さらに行動する用意がある」と述べ、追加利下げに含みを持たせていました。

次回12月10日会合については、市場では政策金利は据え置かれるとの見方が優勢です。マックレム総裁の会見などを受けてその観測が高まれば、カナダドルにとってのプラス材料になりそうです。

※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、BOCおよびFOMCの結果&見通しが相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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