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RBNZ会合に注目!

2025/07/09 08:49

【ポイント】
RBNZNZ中銀)の政策決定
RBNZの声明や議事要旨で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるか
FOMC議事録で市場のFRB金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

8日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。一時米ドル/円は146.944円、ユーロ/円は171.994円、英ポンド/円は199.446円、NZドル/円は88.147円へと上昇し、ユーロ/円と英ポンド/円は24年7月以来、NZドル/円は25年1月以来の高値をつけました。トランプ米大統領が7日、日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すと発表。それを受けて市場では日銀が追加利上げを行うのは困難になるとの見方が強まり、円安要因となりました。

豪ドルは堅調。一時豪ドル/米ドルは0.65519米ドル、豪ドル/円は95.899円、豪ドル/NZドルは1.08858NZドルへと上昇し、豪ドル/円は25年2月以来、豪ドル/NZドルは同5月中旬以来の高値をつけました。RBA(豪中銀)が市場の利下げ予想に反して政策金利を据え置いたことが、豪ドルを押し上げました。

※詳しくは、8日の『デイリー・フラッシュ』[【PM】RBAは政策金利を据え置き! サプライズで豪ドル上昇]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

トランプ大統領は8日(日本時間9日朝)、自身のSNSに「(米東部時間)9日午前に少なくとも7カ国に関する貿易関連の発表を行い、午後にはさらに多くの国に関して発表する予定だ」と投稿しました。

仮にそれらが関税についての発表ならば、高率の関税を課される対象となる国・地域の通貨には下落圧力が生じる可能性があります。

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RBNZ
(NZ中銀)の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間午前11時に発表され、総裁会見は今回予定されていません(通常は2月・5月・8月・11月の会合で実施)。

RBNZは前回5月28日の会合まで5回連続で利下げを実施しており、現在の政策金利は3.25%です。

本日の会合については、政策金利は据え置かれるとの見方が優勢です(一部で0.25%利下げするとの観測あり)。RBNZは24年8月以降大幅な利下げ(合計2.25%)を行っており、その効果は今後さらに出てくると考えられます。また、ホークスビー総裁は前回会合後の会見で「政策金利は中立的な(景気を過熱も冷やしもしない)領域にある」との認識を示しました。

RBNZの声明や会合の議事要旨も材料になりそう。それらでは次回8月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。

前回会合の声明では、「NZ経済は縮小期を経て回復しつつある」との認識が示されました。その一方で、「(トランプ政権の)関税や海外における政策の不確実性の高まりは、NZの景気回復を緩やかにし、中期的なインフレ圧力を低下させると予想される」としつつも、「これらの判断には依然として大きな不確実性が残っている」などとされました。また、「インフレ率は目標レンジ内にあり、中期的に物価安定を維持するために国内外の動向に対応する態勢が整っている」と表明されました。

市場では、本日の会合で政策金利は据え置かれたとしても次回8月20日の会合で利下げが行われるとの観測があります。声明や議事要旨がその観測を後退させる内容になれば、NZドルが堅調に推移しそう。NZドル/は、1月7日高値の89.639に向かって上昇する可能性があります。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、NZ中銀会合結果が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されます(日本時間10日午前3時)。政策金利の据え置きを決定した6月17-18日のFOMCのものです。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回7月29-30日のFOMCで政策金利を据え置いて、次々回9月16-17日のFOMCで0.25%の利下げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールによると、米国時間8日時点で市場が織り込む利下げ確率は、7月が約5%、9月までで6割強です。

本日公表される議事録では、FRBの先行きの金融政策について6月FOMC時の声明やパウエルFRB議長の会見以上の手掛かりが提供されるか否かに注目。仮に議事録の内容を受けてFRBの利下げ観測が高まる場合、米ドルのマイナス材料になりそうです。

※6月FOMCについては、6月19日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCは年内2回利下げ予想も、パウエル議長の慎重姿勢は変わらず]をご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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