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対中関税についての報道で米ドルが堅調

2025/04/24 09:00

【ポイント】
・トランプ政権は対中関税の引き下げを検討?
・米中貿易摩擦緩和への期待が一段と高まるか
・関税をめぐる追加報道に引き続き要注意

(欧米市場レビュー)

23日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は143.368円、米ドル/カナダドルは1.39000カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.13067ドル、英ポンド/米ドルは1.32274ドルへと下落しました。

米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「トランプ政権は対中関税を50~65%程度に引き下げることを検討している」と報道(現在の関税率は145%)。これを受けて米中貿易摩擦緩和への期待が市場で高まったことが、米ドルの支援材料となりました。

ベッセント米財務長官は、日本との通商交渉で為替水準の直接的な是正を促すのか?と記者団から質問され、「特定の通貨目標はない」と答えました。米ドル/はこの発言も上昇要因になったようです。日米財務相会談が日本時間25日にも行われるとの報道があります。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領の関税政策は目まぐるしく変化しており、関税についてのニュースが出てくればそれに市場が敏感に反応する状況が続いています。トランプ政権の関税関連のニュースに引き続き要注意です。

トランプ大統領は米東部時間23日午後(日本時間24日午前)、ホワイトハウスで記者団に対し、「中国への関税の新たな税率を今後2~3週間に発表する可能性がある」と述べました。この発言を含めて新たなニュースにより、米中貿易摩擦緩和への期待が市場で一段と高まる場合、米ドルが堅調に推移しそうです。

トランプ大統領はまた、「カナダ製自動車への関税を引き上げる可能性がある」と語りました。この発言が市場で意識されれば、カナダドルの重石になるかもしれません。トランプ政権は3日、米国に輸入される自動車に対して25%の追加関税を課す措置を発動しました。ただし、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に準拠した自動車については、米国製部品の使用割合に応じて関税が課される例外規定が設けられています。

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米国の3月中古住宅販売件数3月耐久財受注先週分の新規失業保険申請件数が本日発表されます(中古住宅販売件数が日本時間23:00、その他は同21:30)。

市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・中古住宅販売件数(年率換算):413万件(426万件)
・耐久財受注(前月比):2.0%(0.9%)
・耐久財受注(航空機を除く非国防資本財。前月比):0.2%(マイナス0.2%)
・新規失業保険申請件数:22.2万件(21.5万件)

これらが市場予想からかい離する結果だった場合、市場が反応する可能性があります。仮に市場予想と比べて弱い結果になれば、米ドルのマイナス材料になるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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