ユーロが対円で11カ月ぶり、対米ドルで1年5カ月ぶり安値
2026/10/06 09:17
【ポイント】
・フランスの財政状況をめぐる懸念からユーロに対して下押し圧力
・米国の長期金利が一段と上昇するか
・トルコCPIの結果を受けてTCMBの利下げ観測が強まりそう
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場ではユーロが軟調に推移し、一時ユーロ/円は176.200円近辺、ユーロ/米ドルは1.11米ドル台半ば、ユーロ/英ポンドは0.84ポンド台半ばへと下落。ユーロ/円は25年11月上旬以来、ユーロ/米ドルは25年5月中旬以来、ユーロ/英ポンドは26年7月中旬以来の安値をつけました。フランスの財政状況悪化への懸念が引き続きユーロに対する下押し圧力となったほか、スペインのサンチェス首相が11月29日に総選挙を実施すると表明したこともユーロの重石となりました。
米ドルは堅調。一時米ドル/円は158.251円、米ドル/カナダドルは1.42カナダドル台後半へと上昇し、英ポンド/米ドルは1.32ドル台後半、NZドル/米ドルは0.55米ドル台後半へと下落。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが米ドルの支援材料となりました。米長期金利は5日、前営業日比0.3%上昇して5.30%でNY市場の取引を終えました。
米ドル/円に関しては、ブルームバーグが「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が9月に開いた経営委員会で、基本ポートフォリオの検証に関する報告がなかったことが分かった」と報じたことも、上昇要因となりました。市場では、GPIFが外国資産を減らして国内債券の比率を増やすとの観測がありました。
トルコの9月CPI(消費者物価指数)が発表され、結果は前年比29.73%と、市場予想(30.30%)以上に前月の31.51%から上昇率が鈍化しました。CPI上昇率が鈍化したのは4カ月連続で、30%を下回ったのは21年11月以来およそ5年ぶりです。
TCMB(トルコ中銀)の政策金利は現在37.00%。市場ではTCMBは次回10月22日の政策会合で1.00%の利下げを行うとの観測があります。今回のCPIの結果を受け、TCMBの利下げ観測は一段と強まりそうです。
(本日の相場見通し)
フランスの財政状況悪化への懸念などからユーロに対して下押し圧力が加わっており、その状況は当面続く可能性があります。ユーロ/米ドルは、200週移動平均線(本日時点で1.10969ドル)が下値メドです。
※ユーロに関しては、本日の『ファンダメ・ポイント』[主要国財政事情と長期金利]にて解説していますので、ご覧ください。
※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、週足でも下降トレンドを示すチャート形状!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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外為市場は米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも反応しやすい状況が続いています。米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルには上昇圧力が、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルには下落圧力が加わりそう。英ポンド/米ドルは、6月24日安値の1.31393ドルが目先の下値メドです。
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本日は、ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)副議長やウィリアムズNY連銀総裁、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁の発言機会があります。
ウィリアムズ総裁は9月29日の講演で、「FRBは9月のFOMCで利上げを行ったため、急いで行動する必要はない」、「さらにデータを集めることによって米経済の状況をより明確に把握できる」と述べました。シュミッド総裁は9月25日の討論会で、「(米国の)インフレ率は5年以上、目標を上回り続けている」とし、「インフレの問題は依然として解決できていない」と語りました。
CMEのFedWatchツールに基づけば、5日時点で市場が織り込むFRBの利上げ確率は、次回10月27-28日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約2割、その次の12月8-9日までで約9割です。
ボウマン副議長などの発言によってFRBの先行きの金融政策に関する見方が変化すれば、市場が反応する可能性があります。
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