マーケットの最前線で活躍中のプロが注目する 日経225証拠金取引の魅力とは なぜ流行らないのかわからない。それくらい、日経225証拠金取引は優れた金融商品。テクニカルアナリスト 福永 博之

荒れ相場を乗り切り、チャンスに変える(!?)

image

突然ですが、みなさんは金融商品を選ぶ際、何を基準に選んでいるでしょうか。

既に株式投資をされている人であれば、たとえば預金金利よりも高い予想配当利回りや株主優待などに注目したり、また個別株を選ぶのが大変だという人は、日経平均株価などの指数に連動したETFを購入したりしているのではないかと思われます。

ただ、株式投資の場合、配当や優待で個別株を選んでも、2016年の大発会から始まった、これまで経験したことのないような下落に巻き込まれてしまった場合、予想配当利回りで得られる金額以上の損失を被ってしまったり、株主優待でもらえる商品が幾つも買えるだけの損失を抱えてしまったり、といった人が大勢いるのではないでしょうか。

そこで、金融商品選びの選択肢に加えておきたいのが、日経225証拠金取引なのです。

ではなぜ、日経225証拠金取引なのか。
それは「荒れ相場を乗り切ったり、チャンスに変えたりすることができる金融商品」だから。
私はそう考えています。

下落局面における選択肢の拡充

個別株への投資で、銘柄選びに成功して業績や開示内容が魅力的だったとしても、市場全体の値動きが下落となれば個別株も少なからず影響を受ける。そんなケースがほとんどです。

そんなとき、日経225証拠金取引の利用を検討したい。私がそう考える最も大きな理由は、

・日経225証拠金取引は、日経225先物取引のように、少ない証拠金で比較的大きな金額の取引ができる(いわゆるレバレッジが効いた金融商品)。
・下落相場で売りからの取引ができる、つまり下落相場で利益を上げることができる。

これら2点の商品特性を持つことで、個別株投資のリスクヘッジに活用することができる、という点です。

たとえば、株式市場が下落しそうだと考えた場合、個別株を保有している投資家は、日経225証拠金取引で日経225を売ったあと、値下がりしたところで買い戻すことによって利益を得て、個別株の含み損を相殺するという目論見も可能です。

具体的には、8.8万円(2016年2月19日現在)の証拠金を差し入れることで、160万円相当「=16,000円(日経225証拠金取引価格)×100倍×1枚(最低取引単位)」の売買を行うことができるわけですから、資金効率の良さは、日経225先物ミニ取引(証拠金=11.4万円、2016年2月19日現在)以上になります。

個別株も信用取引を使えば売りからの取引が可能ですが、まずどの銘柄を売るのかに悩むでしょう。またレバレッジは3倍程度、市場全体の流れには日経225などの指数のほうがその流れに沿っている、などの理由から日経225証拠金取引のほうが優位性を持っていると考えています。

ほぼ24時間、祝日も。

これまでは下落局面における日経225証拠金取引のお話をしましたが、将来的な上昇局面を見込んでこれから株式投資をしたいと考えている人にとっても、日経225証拠金取引はメリットがあります。まずお伝えしたいのは、株式投資と同様に配当を受け取ることができる点です。

さらに日経225証拠金取引は、朝の8時半から翌朝6時(ただし冬時間。夏時間は翌朝5時)まで取引が可能なため、日本時間の夜に海外市場が大きく変動して下落した場合でも、そのまま何もできずに東京マーケットの取引開始をむかえる必要がありませんし、またその逆のケース、上昇の際のチャンスなど「取引したいけど、できない」というストレスがありません

一例として、実際の日経225の夜間動向をご覧ください。

日経225証拠金取引(30分足)期間:2016年2月12日(金)2:00〜16日(火)14:00

チャートをクリックすると拡大画像が表示されます。

このチャートは、日経平均株価が15,000円を割り込んで終えた2月12日以降の値動きになりますが、実際の日経平均株価は当日の終値が14,952円61銭だったのに対して、翌営業日は15,248円38銭でスタート、295円77銭上昇して始まりました。
しかし日経225証拠金取引なら、12日の夕方から価格が反発し始めたところを逃さず買えた可能性があった、と言うことができます。

日経225証拠金取引は「ほぼ24時間、祝日も取引が可能」。ということは、このように大幅に下落したあとの反発局面を逃すことなく売買することも可能なため、まさにピンチをチャンスに変えることができる金融商品と言えるのではないでしょうか。

あらゆる投資家の、多彩なニーズに応える。

image

では、この日経225証拠金取引は、こうした急変したときだけを捉えて取引する金融商品なのでしょうか。ここまでの話を聞いた人のなかには、日経225先物(またはミニ)取引を思い浮かべると同時に、あまり差がないと考えた人が多いのではないかと思いますが、実はそうではありません。

ここも大きな特徴になりますが、この日経225証拠金取引には、日経225先物取引と違って取引期限がないのです。そのため、現物株投資やETF投資と同様に、配当をもらいながら、中〜長期で投資を行うことも可能です。

もちろんレバレッジが効かせた場合は、値下がりした場合に追加で証拠金を差し入れることが必要になる場合もありますが、少ない資金を効率よく、且つ戦略的に有効活用することによって、投資家のみなさんの期待以上に活躍してくれる金融商品になると思われます。

ぜひ一度詳細を確認し、資産運用先の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

(福永 博之)

写真
【筆者プロフィール】

株式会社インベストラスト代表取締役
国際テクニカルアナリスト連盟 国際検定テクニカルアナリスト

勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust(アイトラスト)」の総監修とセミナー講師を務めるほか、大前研一氏のビジネス・ブレイクスルー大学資産形成力養成講座の講師を務める。またテクニカル指標の特許「注意喚起シグナル」を取得しており会員向けにサービスとして提供中。
テレビ、ラジオでは、日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「モーニングサテライト」、TokyoMX「東京マーケットワイド」、ラジオ日経「ウイークエンド株」、「スマートトレーダーPLUS」などの番組にレギュラー出演中。
また、四季報オンラインやダイヤモンドZAIなどのマネー雑誌にも連載を持つ。近著に、ど素人が読める株価チャートの本(翔泳社)、新取引ルール対応 信用取引の基本と儲け方ズバリ!(すばる舎)、FX一目均衡表ベーシックマス(ダイヤモンド社)のほか、監修を務めるInvestors Handbook 株式手帳(4月始まり)2016(エイチスクエア)など多数。
ページトップへ