メキシコペソは勝ち組か

2021/10/13 07:25

松島新の週刊2分でわかるメキシコ

「上昇」

12日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。米国債利回りの上昇基調とエネルギー価格が高水準で推移したことが米ドルの支援材料になりました。米ドル/円は続落。ユーロ/米ドルは0.2%続落。英ポンド/米ドルは横ばいでした。資源国通貨は底堅く推移。中南米通貨はブラジルレアルを除いて上昇しました。

メキシコペソも堅調。対米ドルで0.5%上昇しました。クロス取引のメキシコペソ/円は5円40銭台後半の0.8%高で取引されました。

原油相場が高水準で推移したことがメキシコペソを支援。メキシコ銀行(中央銀行)が追加利上げするとの観測もポジティブに影響しました。

メキシコ国立統計地理情報院が発表した8月の鉱工業生産高は前年同月比5.5%増。前月の7.3%から鈍化したものの、予想の4.0%増を上回りました。鉱工業生産は7カ月連続で増加しました。

「売り越し幅大幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、5日に終了した週のメキシコペソは3万5579枚の売り越しでした(1枚は50万メキシコペソ)。前週の1万9595枚から売り越し幅が大幅に拡大しました。メキシコペソのバイアスはニュートラルからベア(弱気)に変わりました。

スコシアバンクのアナリストは、メキシコペソのショート(売り)ポジションはアメリカのトランプ前大統領が就任ばかりの2017年初め以来の高水準に増加したと指摘しました。

「勝ち組か」

世界的なインフレ、エネルギー価格高騰をテーマに、外国為替市場で勝ち組と負け組の選別が進んでいます。米ドルやカナダドルなど資源国で中央銀行がタカ派な国の通貨は勝ち組。円やトルコリラなど燃料を輸入に依存し中銀が緩和スタンスの国の通貨は負け組になっています。

メキシコは資源が豊富。原油、鉛、ニッケル、銅などの輸出国です。メキシコ中銀は今年3回利上げ。勝ち組側に位置しています。INGのアナリストは、11日付けのレポートで、市場はメキシコ中銀が11月と12月の会合でそれぞれ0.25%ずつ利上げすると予想していると指摘。アメリカの経済活動は今後活発化すると予想されることから、恩恵を受けメキシコペソは堅調に推移しそうだとコメントしました。メキシコ中銀の次の会合は11月11日に予定されています。

メキシコ中銀が1日発表した8月の外国送金額は47億4000万ドル。過去最高だった7月統計から4.5%増加。予想の44億2000万ドルを上回りました。主にアメリカに住むメキシコ人・移民による親族への送金がメキシコペソ相場を引き続き支えるとみられます。

メキシコペソは当面、金融市場の心理、原油相場とS&P500種株価指数、アメリカ経済の影響を引き続き受けると予想されます。13日発表のアメリカの消費者物価指数、15日のアメリカ小売売上高とミシガン大学消費者信頼感指数を受けた米国債利回りと米ドル地合いの影響を受けそうです。

[OCTOBER 12,2021 M076]

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