米ドル地合いに揺れるカナダドル

2022/05/17 07:34

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油高」

16日の欧米の外国為替市場の米ドルは軟調でした。ドル指数(DXY)は一時20年ぶり高水準に上昇したものの、達成感から低下。アメリカの長期金利低下も寄与して米ドルが売られました。円も軟調。ユーロと英ポンドは小幅高。中国の弱い経済統計にもかかわらず、豪ドルとNZドルは堅調でした。

米ドル/カナダドルは0.6%米ドル安・カナダドル高水準。クロス取引のカナダドル/円は1カナダドル=100円40銭台に0.4%上昇しました。アメリカの株式相場はまちまち。原油相場が3.4%上昇したことがカナダドルを支援。小麦相場上昇もカナダドルにポジティブに影響しました。

カナダの4月住宅着工件数は前月比8%増、予想を上振れました。製造業売上高と卸売売上高の確報値はいずれも予想を上回りました。

「小幅売り越しに」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、10日までの1週間のカナダドルは5407枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の9029枚買い越しから小幅売り越しに転じました。カナダドルのバイアスはブル(強気)からニュートラル(中立)に変わりました。米ドルのロング(買い)ポジションは拡大。投資家が米ドルを選好するトレンドがカナダドルに影響しました。

「米ドル地合い」

カナダドルは引き続き金融市場の心理、原油をはじめとするコモディティ相場の影響を受けるとみられます。国内材料の注目は18日発表のカナダの4月消費者物価指数(CPI)。3月の前年同月比6.7%から小幅鈍化する可能性があります。19日発表のカナダの4月新築住宅販売と住宅価格指数が金利上昇の影響をどう受けているか注目されています。

カナダ銀行(中央銀行)のグラベル副総裁は12日、1%の政策金利は景気を刺激しすぎるとの認識を示しました。カナダ中銀は中立金利水準2~3%に戻すため行動しているとした上で、必要なだけ力強く対応する用意はあると述べました。

カナダ中銀の次回会合は6月1日。アメリカの連邦準備理事会(FRB)に連動する形で0.50%追加利上げが予想されています。会合前は米ドル地合いをにらんだ展開になる可能性があります。クロス取引のカナダドル/円については、米ドル/円の振れが大きくなっているため、対米ドル相場と異なる方向に動く可能性があります。

CIBCは、12日付け月間見通しで、カナダドルは市場全体の米ドル基調に連動する動きになると予想。クロス取引のカナダドル/円の第2四半期(4~6月)末は100円80銭と予想しました。スコシアバンクは、11日付け最新見通しで、米ドル/カナダドルについて、テクニカル分析によると短期的に米ドル高方向、先物ポジションは投資家がまだカナダドルの「バーゲン買い」に動いていないことを示唆しているとコメントしました。
 
[MAY 16 2022 C105]

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