0.5%利上げ織り込む、資源国通貨売りも下値堅い

2022/04/26 07:32

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「米ドル高地合い」

25日の欧米の外国為替市場の米ドルは堅調でした。連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げへの警戒、新型コロナウイルスの感染が拡大した中国のロックダウン(都市封鎖)への懸念で逃避の買いが米ドルを支えました。米国債利回り低下を受け円売りは一服。ユーロと英ポンドは続落。豪ドルは大幅安。NZドルも下げました。

カナダドルも軟調。対米ドル相場は一時6週間ぶり安値まで売られました。クロス取引のカナダドル/円は1カナダドル=100円50銭台の0.5%カナダドル安・円高水準で取引されました。
 
中国上海に続いて首都北京の一部でロックダウンが導入され、世界経済の打撃になるとの懸念が資源国通貨のカナダドルの売り材料になりました。原油相場は3.5%下落しました。カナダ統計庁が25日発表した3月の卸売上高は前月比0.3%減。減少は2カ月連続。機械、機器、日用消費財、農業製品がいずれも減少しました。

「買い越し拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、19日までの1週間のカナダドルは2万1226枚の買い越し(1枚は10万カナダドル)。前週の1万2158枚から買い越し幅が拡大しました。カナダドルのバイアスはブル(強気)で変わらず。カナダドルのセンチメントは昨年7月以来の高水準に改善しました。

「マックレム総裁」

カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は25日、カナダ連邦議会の委員会で,6月1日の次回会合での0.50%追加利上げを示唆しました。

BNNブルームバーグによりますと、カナダ中銀のマックレム総裁は「今月初めの会合で0.50%利上げを決めたことは異例の措置であり、追加利上げを明確に示唆した」と説明。「次の決定会合で0.50%追加利上げを検討する」と述べました。市場の一部に0.75%利上げ観測がありますが、「0.50%を超す利上げの可能性を排除しないが、非常に異例になる」と慎重姿勢を示しました。

ブルームバーグは、スワップ市場は次回会合の0.50%利上げを完全に織り込んだことを示唆、0.75%利上げ確率は総裁発言前の50%超から約30%に低下したと伝えました。バンク・オブ・アメリカ証券のアナリストは、20日付けメモで、カナダ中銀は6月と7月に0.50%ずつ利上げし、その後は政策金利が3.50%に達するまで0.25%ずつ利上げすると予想しました。

カナダドルは引き続き金融市場の心理と原油相場の影響を受けるとみられます。今週のカナダ国内の材料は29日発表のカナダの2月国内総生産(GDP)。1月は前月比0.2%増でしたが、2月統計は0.8%増に伸びが加速すると予想されています。先週末から資源国通貨が売られ、カナダドルの圧迫要因になっています。カナダ経済はアメリカへの依存度が高く、中国経済減速の影響を受ける豪ドルとNZドルと比べ、下げ幅は小幅に留まっています。

アメリカの金利動向をにらんだ展開となっていることから、5月4日の連邦準備理事会(FRB)会合まで対米ドル相場はレンジで推移するとの見方が複数あります。クロス取引のカナダドル/円は、米ドル/円の振れが大きくなっているため、対米ドル相場と異なる方向に動く可能性があります。BMOは22日付け見通しで、カナダドル/円の第4四半期(10~12月)平均は102円40銭と予想しました。

[APRIL 25 2022 C102]

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