FRB観測が上値抑える、カナダCPIに注目

2022/04/19 07:28

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「米ドル高地合い」

18日の欧米の外国為替市場の米ドルは堅調でした。高インフレを背景に連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めに動くとの観測を背景に米ドルが幅広く買われました。円売りは継続し127円に迫りました。ユーロと英ポンドは小幅安で推移。豪ドルとNZドルは軟調でした。

カナダドルの対米ドル相場はほぼ横ばい。クロス取引のカナダドル/円は、米ドル高/円安を反映し、0.3%高の1カナダドル=100円60銭台で取引されました。原油先物相場が1.2%上昇しカナダドルの支援材料になった半面、市場全体の米ドル高地合いがカナダドルの上値を抑えました。米10年物国債利回りは上昇しましたが、カナダ10年物国債利回りは小幅ながら低下。トロント株式相場は0.1%上昇しました。

カナダ政府は、1日から新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた海外渡航者のコロナ検査証明の提示義務を廃止しました。検査費の高さが影響し入国者が伸び悩んでいるための措置ですが、一部地域で変異種の感染が拡大。ケベック州は屋内でのマスク着用義務を4月末まで延長しました。

「買い越し拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、12日までの1週間のカナダドルは1万2158枚の買い越し(1枚は10万カナダドル)。前週の6923枚から買い越し幅が拡大しました。カナダドルのバイアスはブル(強気)で変わらず。カナダ銀行(中央銀行)の先週の0.5%利上げを受けカナダドルをめぐるブル心理は5週間ぶり高水準。最新統計では米ドルのロング(買い)ポジションがやや縮小しました。

「CPI」

カナダドルは引き続き金融市場の心理と原油相場の影響を受けるとみられます。今週の国内材料では20日発表のカナダの3月消費者物価指数(CPI)が注目。前年同月比6%超の上昇になると予想されています。2月統計は5.7%上昇でした。予想通りインフレ加速を示せば、カナダ中銀が次回6月1日会合で再び0.50%利上げするとの観測が一段強まり、カナダドルの支援材料になりそう。

スコシアバンクのアナリストは、18日のメモで、OIS(翌日物金利スワップ)はカナダ中銀の6月0.50%利上げを90~95%織り込んでいるものの、市場全体の米ドル高地合いが影響しカナダドルに反映されていないようだとコメントしました。バンク・オブ・アメリカ証券のアナリストは、カナダ中銀が中立金利レンジを2.0~3.0%に上方修正したと指摘。カナダ中銀は次の2回の会合で0.50%ずつ利上げし、その後は0.25%ずつ利上げすると予想。最終的な政策金利水準は3.5%になるとみています。

カナダ中銀とFRBの金利見通しがカナダドルを動かしそう。カナダ中銀のタカ派スタンスがカナダドルの下値を支えると予想されますが、FRBの積極利上げが上値を抑えるとの見方が少なくありません。21日の国際通貨基金(IMF)総会でFRBのパウエル議長の講演が予定されています。カナダドルに影響する可能性があります。クロス取引のカナダドル/円については、米ドル/円の振れが大きくなっているため、対米ドル相場と方向が異なる可能性があります。

[APRIL 18 2022 C101]

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