カナダドル底堅い、今月利上げ観測も

2022/01/18 07:27

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「インフレ警戒」

17日の欧米の外国為替市場は全体的にまちまちの展開でした。アメリカはキング牧師誕生日で休場、薄商いでした。

主要6通貨に対する米ドルの指数を示すドル指数(DXY)は0.1%上昇。円は小幅安。ユーロはほぼ横ばい。英ポンドは小幅下落しました。豪ドルとNZドルは小動きでした。カナダドルは底堅く推移しました。対米ドルで0.2%高。クロス取引のカナダドル/円は0.6%高の91円50銭台で取引されました。

カナダの11月の製造業売上高は前月比2.6%増。10月の4.3%増から伸びが鈍化。予想の3.1%増を下回ったものの、第4四半期(10~12月)のカナダ経済が堅調に推移していると受け止められ、カナダドルの支援材料になりました。

カナダ銀行(中央銀行)が17日公表した四半期に1度の企業を対象にした調査で景況感が改善したことが示されました。3分の2以上は消費者物価指数(CPI)が今後2年に渡り中銀目標の3%を超えて推移すると予想していることがわかりました。労働者不足とサプライチェーン(供給網)の混乱の悪影響を懸念していることも明らかになりました。

カナダ東部が大雪に見舞われ多くの学校が休校になりました。トロントの主要道路は17日早朝から閉鎖され、多数の空の便が欠航しました。CBCによりますと、トロントおよび周辺地域の積雪量は60センチに達する見通し。トロントの積雪量が30センチを超えるのは2008年以来だとしています。

「売り越し幅縮小」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、11日までの1週間のカナダドルは7376枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の1万1025枚から売り越し幅が小幅縮小しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。

「金融政策」

カナダ中銀の企業調査で高インフレへの懸念が示され、早期利上げ観測が広がりました。BNNブルームバーグによりますと、市場はカナダ銀行が年内6回の利上げを実施することを織り込み始めました。少し前までは3月に利上げサイクルに入るとの見方が優勢でしたが、いまは1月26日の次回会合での利上げ確率が70%に上がりました。カナダの長期金利の指標である10年物国債の利回りは一時1.819%まで上昇、2019年4月以来の高水準をつけました。

カナダドルは当面、金融市場の心理、原油相場、米加利回り格差と米ドル地合いの影響を受けると予想されます。19日発表のカナダの12月消費者物価指数(CPI)が注目。前年同月比4.8%上昇が市場コンセンサス、11月の4.7%から加速すると予想されています。21日発表のカナダ小売売上高が材料になる可能性があります。

アメリカの連邦準備理事会(FRB)は25~26日に金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。タカ派なメッセージが出されるとみられているものの、利上げ時期は3月との予想が優勢。ほぼ同じタイミングで結果が判明するカナダ中銀の会合と合わせ、カナダドルを大きく動かす可能性があります。

スコシアバンクのアナリストは、17日付けメモで、カナダドルの対米ドル相場は2%程度過小評価されているとコメントしました。原油相場、金属相場、米加利回り格差、市場のリスク心理の4つのファンダメンタルズは米ドルのカナダドルに対する買われ過ぎを示しているとしています。

[JANUARY 17 2022 C088]

topへ