カナダドル、中銀3月利上げ織り込む

2022/01/11 07:29

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「米ドル高地合い」

10日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。連邦準備理事会(FRB)の会合議事要旨、アメリカ雇用統計、FRB高官の発言などを手掛かりにFRBが3月に利上げサイクルに入るとの観測が強まり米国債利回りが上昇、米ドルの支援材料になりました。

金利先高観を背景にアメリカの株式相場が続落。逃避の買いで円も堅調でした。ユーロと英ポンドは小幅安。リスクに敏感な豪ドルとNZドルは軟調に推移しました。

カナダドルも軟調でした。対米ドルで0.3%下落。クロス取引のカナダドル/円は90円90銭近辺の0.6%カナダドル安・円高水準で取引されました。金融市場全体のリスク回避ムードが影響しました。原油相場が0.8%下落したことがカナダドル売りを誘いました。

カナダ統計庁が7日発表した12月の雇用統計の就業者数は5万4700人増でした。11月の15万3700人から大幅減速したものの、コンセンサス予想である2万7500人を大幅に上振れました。12月の失業率は6%から5.9%に改善。平均時給は前年同月比2.7%上昇しました。カナダの労働市場の改善を示す統計でした。ただ、新型コロナウイルスのオミクロン型変異種の感染拡大を受けて経済活動を制限する動きが拡大、来月発表される1月統計は弱い可能性があるとの指摘がありました。

ロイターによりますと、カナダのトルドー首相は、アメリカとカナダの国境を通過するトラック運転手に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務化する意向。運転手不足が深刻化するとの批判がありますが、方針を貫く見通しです。

「売り越し幅小幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、4日までの1週間のカナダドルは1万1025枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の1万0334から売り越し幅が小幅拡大しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。過去3週間、カナダドルのショート(売り)ポジションに動きはほとんどありません。

「FRBとカナダ中銀」

カナダドルは金融市場の心理と原油相場の影響を引き続き受けそう。FRBの金融政策をめぐる観測に敏感で、今週発表のアメリカの12月消費者物価指数(CPI)やFRB高官の発言に反応する可能性があります。

カナダの12月雇用統計が強かったことも寄与、マーケットはカナダ銀行(中央銀行)が3月に利上げサイクル入りすることを織り込みました。カナダ中銀の次回会合は1月26日。その次は3月2日に予定されています。FRBは3月に利上げを開始、年内に4回利上げすると幅広く予想されています。カナダ中銀とFRBの利上げペースがカナダドル相場に影響する見通しです。

バンク・オブ・アメリカのアナリストは、6日付けレポートで、カナダ中銀が3月に利上げサイクルに入り、年内に5回利上げすると予想。第2四半期(4~6月)期以降は対米ドルで現在の水準よりカナダドル高方向で推移するとみています。BMOのアナリストは、7日付け最新見通しで、カナダドル/円の第1四半期(1~3月)平均は89円30銭、第2四半期平均は90円と予想しました。

[JANUARY 10 2022 C087]

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