2022年のカナダドル、方向決める金融政策

2021/12/21 07:49

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油安が圧迫」

20日の欧米の外国為替市場の米ドルはまちまち。新型コロナウイルスのオミクロン型変異種の猛威が経済活動に影響するとの警戒感で株式相場と原油相場は大幅下落。逃避の米ドル買いが下値を支えました。

円は小幅安。ユーロは小幅高。英ポンドは小幅安でした。リスクに敏感な豪ドルは軟調。NZドルは続落しました。

カナダドルは下落しました。対米ドルで約0.4%安。1年ぶりの安値水準まで値を下げました。クロス取引のカナダドル/円は87円80銭台の小幅カナダドル安・円高水準で取引されました。金融市場全体のリスク回避ムードが影響しました。アメリカのS&P500種株価指数は1.1%安、原油先物相場が3.7%下落したことがカナダドルを圧迫しました。

オミクロン型変異種の感染拡大を受け、カナダで2番目に人口が多いケベック州は在宅勤務を要請、ジム、バー、スポーツジムは休業しました。カナダ政府はアフリカ10カ国からの入国禁止措置を18日に解除、コロナ検査陰性証明の提示を義務付けました。

フランスのBNPパリバは20日、アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く銀行バンク・オブ・ザ・ウエストをカナダのバンク・オブ・モントリオール(BMO)に163億ドルで売却することで合意したと発表しました。RBCやTDに続く形でカナダの金融機関のアメリカでの事業が拡大することになります。

「売り越し幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、14日までの1週間のカナダドルは1万3128枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の9358枚から売り越し幅が拡大しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。

「鍵は金融政策」

カナダドルは年内、金融市場全体の心理、原油相場とアメリカの株式相場の影響を引き続き受けると予想されます。市場参加者が少なく薄商いのなか、オミクロン型をめぐるニュースをめぐる投資家心理が相場を動かす可能性があります。

2022年の相場見通しが出そろいました。世界の中央銀行の政策の方向が相場を動かす鍵になると見方が優勢です。特に利上げ時期とペースが影響するとみられています。

スコシアバンクのアナリストは、16日付けの最新見通しで、アメリカの連邦準備理事会(FRB)は来年6月、カナダ銀行は来年4月に利上げすると予想。米ドルがほとんどの主要通貨に対し上昇、カナダドルも堅調に推移すると予想しました。カナダドル/円の来年第1四半期(1~3月)は92円60銭、段階的に上昇し来年末は98円30銭と予想、非常に強気でした。BMOは、17日付けの見通しで、カナダドル/円の第1四半期平均は89円40銭と予想。CIBCは、第四半期は89円10銭と予想、来年後半が小幅ながらカナダドル安・円高になるとみています。見方が分かれました。クロス取引であるため米ドル/円相場の見通しの違いが一部影響しています。

[DECEMBER 20,2021 C084]

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