カナダドル軟調、中銀ミッションを消化

2021/12/14 07:30

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油安が影響」

13日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。新型コロナウイルスのオミクロン型変異種の感染でイギリス国内初の死者、連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えタカ派な決定の期待が強まったことが米ドル買いに寄与しました。

円は小幅安。ユーロは小幅下落。英ポンドも安く取引されました。それぞれの中央銀行の会合を控え積極的な取引が控えられました。株式相場は下落、市場全体がリスク回避ムードになり、豪ドルとNZドルはそれぞれ下落しました。

カナダドルも値を下げました。対米ドルで0.7%安。クロス取引のカナダドル/円は88円60銭台の0.6%安カナダドル安水準で取引されました。原油相場は0.5%下落、アメリカのS&P500株価指数が安く推移したことがカナダドルにネガティブに影響しました。

カナダ銀行(中央銀行)の発表が注目を集めました。カナダ中銀は13日、インフレ目標について現行の2%に維持することで連邦政府と合意したと発表。労働市場を最適な状態に保つため、必要に応じて長期に渡り金利を低水準に維持すると表明しました。中銀ミッションに雇用の最大化が加わった形。予想通りでした。

カナダ中銀のマックレム総裁は、景気回復を頓挫させずにインフレ率を目標水準に戻すよう努力すると述べました。1990年以降にカナダ中銀はインフレ目標を2%に維持、目標レンジを1~3%に設定しています。

スコシアバンクのアナリストは、物価と雇用の安定という2大ミッションへの変更がカナダ中銀の利上げ観測に影響する可能性は低いとコメントしました。ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のエコノミストは、カナダ中銀の発表後も来年4月に利上げ開始、来年中に3回の利上げがあるとの予想を維持するとメモで述べました。

「売り越し幅縮小」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、7日までの1週間のカナダドルは9358枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の1万4075枚から売り越し幅が縮小しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。スコシアバンクのアナリストは、カナダドルのポジションと心理は依然としてややネガティブだが、今回のデータでは方向が見えないとコメントしました。

「FOMC」

カナダドルは今週、金融市場全体の心理、原油相場とアメリカ株式相場、米国債利回りと米ドル地合いの影響を引き続き受けるとみられます。カナダ統計庁が15日発表する11月の消費者物価指数(CPI)が注目。前年同月比4.9%上昇と、10月の4.7%から加速すると予想されています。アメリカの連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)後に振れる可能性があります。

CIBCは、8日付け最新見通しで、カナダ中銀が来年第2四半期(4~6月)に利上げサイクルに入り、来年末までに0.25%ずつ3回利上げすると予想。ほぼ同じタイミングでFRBも利上げサイクルに入るとみています。カナダドルの対米ドル相場は来年末にかけて緩やかに下落するシナリオを描いています。BMOは、10日付け見通しで、カナダ中銀が来年4回の利上げがあると予想。カナダドル/円の来年第1四半期(1~3月)の平均予想は90円ちょうどでした。

[DECEMBER 13,2021 C083]

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