カナダドル反発、中銀タカ派スタンス強めるか

2021/12/07 07:29

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油高を好感」

6日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。新型コロナウイルスのオミクロン型変異種の感染が軽症との見方が広がり心理が改善。アメリカ株式相場は大幅反発、米国債は売られ利回りが大幅上昇したことを手掛かりに米ドル買いがやや優勢でした。

円は対米ドルで下落。ユーロは軟調。英ポンドは小幅高でした。資源国通貨のドルブロックはまちまち。豪ドルは高く推移、NZドルは上値が重い展開でした。カナダドルは対米ドルで0.6%上昇しました。2カ月半ぶりの安値から反発。クロス取引のカナダドル/円は1.2%高、88円80銭台で推移しました。

金融市場全体のリスク選好ムード、原油相場が4.9%高と急上昇したことがカナダドルの支援材料でした。

「売り越し幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、30日までの1週間のカナダドルは1万4075枚の売り越し(1枚は10万カナダドル)。前週の3135枚から売り越し幅が拡大しました。カナダドルのバイアスはニュートラル(中立)からベア(弱気)に変わりました。

スコシアバンクのアナリストは、11月末に原油相場が大幅下落したことでカナダドルのショート(売り)が増えたとコメント。ショート・ポジションは10月中旬以来の大きさだったとしています。

「強い雇用統計」

予想を下振れたアメリカの雇用統計と対照的に、カナダの11月雇用統計は非常に強い内容でした。雇用者数は10月の3万1200人増から15万3700人増に伸びが加速、予想の3万7500人を大幅に上振れました。失業率は6.7%から6.0%に低下、予想の6.6%より大幅に改善しました。

カナダ銀行(中央銀行)は8日に金融政策決定会合を開きます。雇用統計、インフレ指標、第3四半期の国内総生産(GDP)が予想を上回ったことを受け、タカ派なメッセージが発せられるとの期待があります。前回10月の会合では4月に0.25%利上げする可能性を示唆。今回の会合における政策変更は予想されていませんが、政策金利引き上げ示唆を一段強めるかが焦点です。

CIBCは、カナダ中銀がタカ派スタンスを維持すると予想されるものの、オミクロン株の感染拡大の影響をどう見通しているかが注目だとコメントしました。カナダ国内では先週末時点で15人のオミクロン感染者が確認されています。

10月後半からカナダドルの下落基調が続いています。原油相場の低迷とアメリカの連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め観測が背景。8日のカナダ中銀の会合と来週15日のFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)がカナダドルを動かす可能性があります。当面、金融市場の心理、原油相場、アメリカの株式相場の影響を受けるとみられます。

60セカンド・インベスターのストラテジストは、7日発表のIVEY購買担当者景気指数(PMI)と国際商品貿易統計がカナダ経済の回復を示す見通し、カナダドルの対米ドル相場は一段高になる可能性が高いことをチャートが示唆しているとコメントしました。BMOは、3日付け見通しで、来年第1四半期(1~3月)のカナダドル/円の平均は90円20銭と予想しました。

[DECEMBER 06,2021 C082]

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