カナダドル、強気な見方多い

2021/11/23 07:32

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「米ドル地合いが圧迫」

22日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。バイデン大統領が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の再任を発表。有力候補とされたブレイナード理事よりインフレ対応でタカ派に傾斜するとの見方で米国債利回りは急上昇、米ドル買いを誘いました。

円は下落。ユーロと英ポンドは対米ドルで小幅安。豪ドルは対米ドルでやや軟調。NZドルは対米ドルで下落しました。カナダドルは対米ドルで0.5%安で推移しました。クロス取引のカナダドル/円は、米ドル高・円安を受け0.3%高の90円40銭台で取引されました。市場全体の米ドル高基調が影響しました。カナダ10年物国債の利回りは上昇したものの、米10年物国債利回りが急上昇したことで利回り格差が縮小、米ドル買い・カナダドル売りに繋がりました。原油相場が反発したことがカナダドルの下値を支えました。

カナダ統計庁が19日発表した9月の小売売上高は前月比0.6%減。8月の1.8%増からマイナスに転じたものの、予想の1.7%減ほど落ち込みませんでした。前年同月比は4.8%増。カナダの10月の新築住宅価格指数は前年同月比11.5%上昇と、予想の11.3%を小幅上振れました。

カナダ西部のブリティシュ・コロンビア州が先週後半、記録的な豪雨による洪水に見舞われました。幹線道路が幅広く遮断、カナダ政府は軍を派遣し、被災者と被災地の支援にあたりました。

カナダのトルドー首相は18日にアメリカを訪問、バイデン大統領とメキシコのロペスオブラドール大統領と5年ぶりとなる3カ国首脳会談に参加。サプライチェーン問題の解決への取り組みを含む北米3ヵ国の連携強化で意見交換しました。

「買い越し幅小幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、16日までの1週間のカナダドルは8709枚の買い越し(1枚は10万カナダドル)。前週の5104枚から買い越し幅が小幅拡大しました。カナダドルのバイアスはブル(強気)。

カナダドルのロング(買い)ポジションは7月中旬以降で最大。スコシアバンクのアナリストは、カナダの10月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが影響したとコメントしました。

「コモディティと金融政策」

カナダドルは当面、金融市場の心理、原油相場とアメリカ株式相場、金融政策の影響を受けるとみられます。今週はカナダの目立った経済指標の発表はありません。カナダ銀行(中央銀行)が12月8日に開催する金融政策決定会合が当面の焦点。観測が相場に影響する可能性があります。

来年のカナダドルは堅調に推移するとの見方が優勢です。INGのアナリストは、2022年の外為展望の中で、カナダドルは資源国通貨で最も安全な通貨だとコメントしました。堅調なコモディティ相場と世界経済の回復が支援。国内経済の回復がカナダドルにポジティブに影響すると予想。市場はカナダ中銀が3月に利上げサイクルに入り来年合計1.25%利上げを織り込んでいるとしています。

バンク・オブ・アメリカ証券は、21日付けレポートで、カナダ中銀が来年4月に利上げサイクルに入り四半期ごとに利上げし、2023年末までに2%へ引き上げ利上げサイクルを完了すると予想。来年のカナダドルの対米ドル相場は年半ばに向け段階的に米ドル安・カナダドル高が進むとみています。

[NOVEMBER 22,2021 C080]

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