カナダドル底堅い、米加利回り格差が支援

2021/11/09 07:31

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油高」

8日の欧米の外国為替市場は米ドルが軟調でした。アメリカの消費者物価指数(CPI)発表を控え様子見ムードが強い展開。アメリカの連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期をめぐる観測が交錯しました。

円とユーロは小幅高。英ポンドが反発しました。資源国通貨のドルブロックを構成する豪ドルとNZドルはそれぞれ堅調でした。カナダドルは底堅く推移しました。対米ドルは0.1%高。クロス取引のカナダドル/円は91円ちょうど近辺のほぼ横ばい水準でした。

原油相場が0.8%続伸したことがカナダドルの支援材料になりました。カナダは原油輸出国です。コモディティ相場の指標であるCRB指数は0.7%上昇。アメリカ株式市場のS&P500種株価指数が最高値を更新したことがカナダドルの下値を支えました。カナダ10年物国債の利回りは1.63%台と、米10年物国債利回り1.50%を上回ったことがカナダドル買いを誘ったと60セカンド・インベスターのストラテジストはコメントしました。

カナダ統計庁が5日発表した10月の雇用統計は、雇用者数が3万1200人増と、9月の15万7100人増から大幅鈍化。予想の7万人増を下回りました。10月の失業率は前月の6.9%から6.7%に改善したものの、労働参加率は65.3%と、前月から0.2ポイント低下しました。平均時給は前年同月比2.1%上昇でした。ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)のエコノミストは、カナダの労働市場は昨年のコロナショックから依然完全に回復していないとコメントしました。

アメリカ政府は8日、カナダとメキシコを含む33カ国を対象に陸と空の国境を再開しました。新型コロナウイルスのワクチンを完全接種したことが条件。カナダとアメリカの国境移動が大幅に増えたと伝えられました。

「小幅買い越し」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、2日までの1週間のカナダドルは4162枚の買い越しでした(1枚は10万カナダドル)。前週の3320枚から買い越し幅が小幅拡大しました。カナダドルのバイアスはニュートラル(中立)で変わらず。

最新統計では、米ドルのロング(買い)ポジションが小幅減少したものの、依然高水準でした。ユーロのショート(売り)ポジションが減少、NZドルは買われ過ぎの領域に入りました。

「カナダ銀行」

カナダドルは当面、金融市場の心理、原油相場、アメリカとカナダの利回り格差の影響を受けるとみられます。カナダ銀行(中央銀行)のタカ派スタンスがカナダドルの下値を支えると予想されます。

BNNブルームバーグによりますと、カナダ中銀のマックレム総裁は7日、CTVのインタビューで、インフレは一過性ながら短期で収まらないとの見方を示しました。「インフレを制御する」として、来年4月にも利上げに動く可能性を示唆しました。

CIBCは、1日付け見通しで、2023年末までにカナダ中銀が0.25%ずつ5回利上げすると予想。INGは、23年末までに7回の利上げを見込み、カナダドルの対米ドル相場は現在の水準より小幅米ドル安・カナダドル高の水準で中期的に推移すると予想しました。BMOは、5日付け見通しで、カナダドル/円の来年第1四半期(1~3月)の平均は92円60銭と予想しました。

[NOVEMBER 08,2021 C078]

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