カナダドル予想分かれる、FOMCで振れる可能性

2021/11/02 07:29

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「材料待ち」

1日の欧米の外国為替市場は米ドルがやや軟調でした。オーストラリア準備銀行、アメリカの連邦準備理事会(FRB)、イングランド銀行の会合を控え、思惑が錯綜しました。全体的にまちまちの展開でした。

円はほぼ横ばい。ユーロは小幅高。英ポンドは小幅安でした。資源国通貨の豪ドルとNZドルはそれぞれ堅調に推移しました。カナダドルも堅調でした。対米ドル相場は0.2%上昇。クロス取引のカナダドル/円は小幅高の92円10銭台で取引されました。

原油先物相場が0.6%上昇したことがカナダドルの支援材料。IHSマークイットが発表した10月のカナダ製造業購買担当者景気指数(PMI)は57.7と、9月の57.0から上昇。3月以来の高水準でした。新規受注と雇用の伸びがサプライチェーン混乱の影響を相殺しました。カナダ10年物国債利回りは一時1.766%に上昇。2019年5月以来の高水準をつけました。

「小幅買い越しに転じる」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、26日までの1週間のカナダドルは3320枚の買い越しでした(1枚は10万カナダドル)。前週の1万0924枚売り越しから買い越しに転じました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)からニュートラル(中立)に変わりました。

スコシアバンクのアナリストは、カナダドルのポジション変化が最大だったとコメントしました。8月後半以降に投機筋はカナダドルを売り越していたが、カナダ銀行(中央銀行)の引き締め期待と堅調なコモディティ相場がカナダドルのポジションを買い越しに動かしたとしています。

「FOMC」

利上げを開始したNZ中銀に次ぐ形でカナダ中銀は金融引き締めで主要国を先行しました。テーパリング(量的緩和の縮小)を春に開始。来年の利上げを示唆しました。カナダ中銀のタカ派スタンスを背景にカナダドルが対米ドルなどで買われましたが、アメリカのFRBも引き締めに動くと幅広く予想されています。

カナダドルは今週、金融市場の心理と原油相場の影響を引き続き受けると予想されます。5日にアメリカ雇用統計とほぼ同じタイミングで発表されるカナダ雇用統計が注目。3日発表の連邦公開市場委員会(FOMC)の声明とパウエル議長の記者会見のトーンがカナダドルを動かす可能性があります。スコシアバンクのアナリストは、1日のメモで、FOMCが米ドルを押し上げる可能性があるものの、米ドルの対カナダドルの上げ幅は縮小すると予想されるとコメントしました。

カナダドルの中期見通しは分かれています。INGのアナリストは、27日付けレポートで、カナダ中銀が来年半ばの利上げをガイダンスで示唆したと指摘、堅調なカナダ経済を背景に来年は合計1%の利上げが予想されるとコメントしました。カナダドルは強く支持され、対米ドルで予想以上にカナダドル高が進むリスクがあるとしています。

CIBCは、カナダドルの見通しに慎重。1日付けの最新経済見通しで、カナダドルが対米ドルで段階的に下落すると予想しました。カナダ中銀とFRBがそれぞれ来年第3四半期(7~9月)に利上げすると予想、FRBの政策金利の水準が2023年末までにカナダ中銀の政策金利より高くなるとの見方が背景とみられます。

[NOVEMBER 01,2021 C077]

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