カナダドル底堅い、NZドルより豪ドルに近い

2021/10/12 07:28

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油高が下支え」

11日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合い。アメリカはコロンブス・デーで銀行休業日。カナダは感謝祭で祝日。北米市場は極端な薄商いでした。

日本とアメリカの中央銀行の金融政策の方向の違いと日米利回り格差拡大を背景に米ドル/円は目立って上昇。2018年12月以来となる113円台の米ドル高・円安水準で取引されました。ユーロ/米ドルは軟調。英ポンド/米ドルは小動きでした。資源国通貨はまちまち。豪ドルは上昇、豪ドル/円は大幅高。NZドルも堅調で、NZドル/円は大幅高で推移しました。

カナダドルは対米ドルで0.1%安。クロス取引のカナダドル/円は0.9%高の90円80銭近辺で取引されました。

原油相場は7年ぶり高値となる80ドル台に上昇。カナダドルの支援材料になりました。アメリカのS&P500種株価指数が軟調に推移したことはカナダドルのネガティブ材料でした。

カナダ統計庁が8日発表した9月雇用統計の雇用者数は15万7100人増。予想の6万人増を大幅に上回りました。失業率は前月の7.1%から6.9%に低下。予想通りでした。非農業部門就業者数が予想を大幅に下回ったアメリカの雇用統計と対照的に非常に強い統計でした。

「売り越し幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、5日に終了した週のカナダドルは2万6866枚の売り越しでした(1枚は10万カナダドル)。前週の2万0235枚から売り越し幅が拡大しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。

最新統計では、米ドルの買い越し額が前週から増加し、2019年6月以来の高水準となったことが注目されました。ドルの対主要6通貨に対する買い越しは12週連続。豪ドルとNZドルのポジション格差は縮小しました。

「エネルギー価格高騰に耐久力」

ドルブロックを構成するカナダドル、豪ドル、NZドルはいずれも資源国通貨としてリスクに敏感、同じ方向に動く傾向があります。ただ、ニュージーランドの主力輸出品は乳製品やワインであるのに対し、オーストラリアは鉄鉱石や石炭、カナダは原油や鉄鉱石などが主な輸出品です。市場ではいま、エネルギー価格高騰がテーマ。燃料を輸出しているカナダとオーストラリアの通貨がニュージーランド通貨よりパファーマンスが強くなる傾向が強まっています。

INGのアナリストは、11日付けのレポートで、エネルギーの輸出国と輸入国、中央銀行の高インフレへの対応が秋冬の相場の方向を決めるとコメントしました。カナダ、ノルウェー、ロシアの通貨が強い半面、円とトルコリラリラは弱い側に位置しているとしています。カナダドルはリスク回避局面でも耐久力があり、下値が硬いとの見方でした。

60セカンドインベスターのストラテジストは、11日の取引でカナダドルは対米ドルでやや軟調だったものの短期的、カナダ経済とカナダドルは今後堅調に推移するだろうとコメントしました。

カナダドルは目先、金融市場の心理、原油相場、米国債利回りとドル地合い、S&P500の影響を引き続き受けそうです。今週、カナダ国内で主要な経済指標の発表はありません。スコシアバンクのアナリストは、欧州中央銀行(ECB)と日銀と比べカナダ銀行(中央銀行)のタカ派スタンスが顕著であるため、カナダドルは対円、対ユーロで上昇を続けそうだとコメントしました。

[October 11,2021 C074]

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