カナダドル底堅い、エネルギー高騰と利上げ期待

2021/10/19 07:25

松島新の週刊2分でわかるカナダ

「原油高が下支え」

18日の欧米の外国為替市場の米ドルは方向が定まりませんでした。強弱感が入り混じる材料を受け、まちまちの展開でした。

円は小幅安。ユーロは小幅高。英ポンドは小幅安でした。豪ドルはほぼ横ばい。NZドルは、ニュージーランドの第3四半期(7~9月)の消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上振れたことを受け、NZ中銀の積極的な利上げを見込んだ投資家の買いで続伸しました。

カナダドルはやや軟調だったものの、底堅く推移しました。カナダドル/円はほぼ横ばいの92円30銭台で取引されました。カナダの9月の住宅着工件数は4カ月連続で減少。原油高が支援材料となり、カナダドルの下値を支えました。

カナダ銀行(中央銀行)が18日に公表した調査で、国内企業の大半が需要増や供給の制約によりコスト上昇圧力が高まると予想していることがわかりました。カナダ中銀の引き締め政策を後押しする内容でした。

中央銀行が管理する中銀デジタル通貨(CBDC)への注目が集まる中、カナダ中銀のレーン副総裁は、現時点でデジタル通貨を導入する予定はないと表明しました。現金の使用が減少すれば導入する可能性があると述べました。

アメリカ政府は15日、11月初めからワクチン完全接種を条件に空と陸の入国規制を緩和すると発表しました。カナダ・アメリカ間の移動が大幅に増えることが見込まれています。カナダ経済を刺激することになりそうです。

「売り越し幅拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、12日に終了した週のカナダドルは2万7860枚の売り越しでした(1枚は10万カナダドル)。前週の2万6866枚から売り越し幅が小幅拡大しました。カナダドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。最新統計で、米ドルのポジションに大きな変化はありませんでした。

「利上げ期待」

カナダドルは当面、金融市場全体の心理、原油相場とアメリカのS&P500株価指数の影響を引き続き受けると予想されます。エネルギー価格高騰が資源国の通貨の追い風になっていて、原油など資源が主要輸出品であるカナダの通貨を支えるとみられています。

20日に発表されるカナダの9月消費者物価指数(CPI)がカナダドルに影響する可能性があります。前年同月比4.1%上昇と、強い統計が予想されています。22日発表の小売売上高も材料になりそう。

エネルギー価格高騰に加え、カナダ中銀の金融政策の方向がカナダドルにポジティブに影響するとみられています。INGのアナリストは、18日付けレポートで、カナダ中銀が6カ月以内に利上げに動くことが織り込まれていると指摘。カナダドルはクロス取引で高く推移するだろうとコメントしました。カナダ中銀の次の会合は27日に予定されています。

CIBCは、18日付け最新見通しで、カナダドルの対米ドル相場の年末は現在と同じ水準を予想。BMOは、15日付けの最新見通しで、カナダドル/円の年末は90円30銭、来年末は92円20銭と予想しました。

[OCTOBER 18,2021 C075]

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