豪ドルとNZドルに売り圧力、方向修正あるか

2021/09/30 07:25

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「リスク回避」

29日の欧米の外国為替市場は米ドル高地合いでした。幅広い業種のサプライチェーン(供給網)の混乱と労働者不足が高インフレを長期化させるとの警戒感でリスク回避ムードとなり、逃避の米ドル買いが進みました。

円は112円台に下落。ユーロ/米ドルは1.16を割りました。英ポンドは続落。原油相場が続落したことを受けカナダドルが売られました。

オーストラリア(豪)ドルも下落。豪ドル/米ドルは0.8%安。クロス取引の豪ドル/円は0.4%安の80円30銭台で取引されました。ニュージーランド(NZ)ドルは売られました。NZドル/米ドルは1.4%安と大幅下落しました。クロス取引のNZドル/円は1.0%安の76円80銭台で推移しました。オセアニア2通貨のペアは豪ドル高・NZドル安に振れました。

外国為替市場でリスクオフの展開になったことが大きく影響しました。アメリカの連邦準備理事会(FRB)がタカ派に転じたこと、中国経済の不透明感を受けオセアニア2通貨に対する売り圧力が高まりました。

NZドルの下げ幅が豪ドルより大きかったのは、ニュージーランドの新型コロナウイルスの感染者が増加したことが背景。29日に発表された新規感染者は45人と、9月2日以来の高水準でした。警戒レベル変更が来週まで延び、経済活動への影響が懸念されました。ニュージーランド政府は12歳以上の国民の90%がワクチンを完全接種する目標をたてていますが、44%に留まっています。

「NZドルに強気」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、21日までの1週間の豪ドルは8万5584枚の売り越し。前週の8万3383枚から売り越し幅が小幅拡大しました。NZドルは8102枚の買い越し。前週の6206枚から買い越し幅が小幅拡大しました。豪ドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず。NZドルはニュートラル(中立)からブル(強気)に変わりました。

「RBNZ会合」

豪ドルとNZドルは当面、金融市場の心理、米ドル地合いと米国債利回り、コモディティ相場、中国経済の影響を引き続き受けそう。それぞれの国の新型コロナウイルスの感染状況と規制の動きに敏感に反応する可能性があります。

ニュージーランド準備銀行(中央銀行、RBNZ)は10月6日に金融政策を決める会合を開きます。政策金利を0.25%から0.50%に引き上げると幅広く予想されています。

バンク・オブ・ニューヨーク(BNZ)は、27日の見通しで、10月6日に0.25%利上げし、その後は緩やかに利上げを継続すると予想しました。引き締め方向は明確だと指摘。来年末の政策金利は1.75%、2023年末は2.00%と予想しました。NZドル/米ドルと豪ドル/米ドルは来年3月まで段階的に上昇するとの予想を維持。年末と3月末のNZドル/豪ドルは0.95(豪ドル/NZドルは1.053の計算)とみています。

オーストラリア準備銀行(RBA)の利上げはRBNZから2年以上遅れる見通しです。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は豪ドル/NZドルが来年6月まで横ばい、1.04近辺で推移すると予想しています。

最近の豪ドルとNZドルの大きい売り圧力になりましたが、大手金融機関は現時点で豪ドルとNZドルの見通しを修正していません。

[SEPTEMBER 29,2021 AN314]

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