豪ドルとNZドル、中銀と中国恒大にらむ

2021/09/23 07:25

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「FRB」

22日の欧米の外国為替市場は、アメリカの中央銀行である連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の材料でした。

FRBは債券買い入れ縮小(テーパリング)について11月会合での発表を強く示唆しました。FOMCメンバーの金利予想をチャート化したドットプロットで、2022年に利上げを見込むメンバーが18人中7人から9人に増えました。今年のGDP見通しを下方修正、インフレ率予想を引き上げました。

FOMC後に米ドルは振れました。株式相場は上昇を維持。米ドル指数(DXY)は0.2%上昇。ユーロと英ポンドは対米ドルで小幅安。円は下落しました。資源国通貨のドルブロックは堅調。総選挙後のカナダドルは原油高が寄与して続伸しました。

オーストラリア(豪)ドルは対米ドルで0.1%上昇。クロス取引の豪ドル/円は0.6%高の79円40銭台後半で取引されました。ニュージーランド(NZ)ドルは底堅く推移。対米ドルで横ばい。クロス取引のNZドル/円は0.5%高の76円90銭台で推移しました。

株式相場が大幅上昇、リスク選好ムードが高まったことが追い風でした。中国エバーグランデ(中国恒大)が利払いをすると報じられ、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給を発表したことが、中国経済への依存度が高いオセアニアの2通貨にポジティブに影響しました。2つの通貨ペアは小動き、わずかながら豪ドル高・NZドル安でした。

「豪ドル大幅売り越し」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、14日に終了した週の豪ドルは8万3383枚の売り越し。前週の7万0488枚から売り越し幅が拡大しました。NZドルは6206枚の買い越し。前週の3863枚から拡大しました。豪ドルのバイアスはベア(弱気)、NZドルはニュートラル(中立)で変わらず。

スコシアバンクのアナリストは、豪ドルのネット・ショートが過去最大、主要通貨の中で過去2番目に大きい売り越しになったと指摘。鉄鉱石下落の影響もあり、ポジションが調整される可能性はまだ無いとみられるコメントしました。

「中銀と中国恒大」

ニュージーランド準備銀行(中央銀行、RBNZ)のホークスビー総裁補佐の21日の講演が注目を集めました。「各国・地域の中央銀行は政策金利を据え置き、もしくは利上げ幅を0.25%にとどめる傾向がある」と述べました。

発言を受けRBNZが10月6日の次回会合で0.50%の利上げがあるとの観測が大きく後退しました。相場は0.25%利上げを完全に織り込みました。ウエストパックのアナリストは、20日付けレポートで、RBNZは10月会合で0.25%利上げ、11月、2月、5月に追加利上げすると予想。緩やかな利上げを継続し2023年末の政策金利は2%とみています。現在は0.25%です。

一方、オーストラリア準備銀行(RBA)は21日に公表した議事要旨で、ロックダウン(都市封鎖)で景気回復が遅れる可能性に懸念を表明したものの、来年は力強く回復するとの見通しを維持し、予定通りテーパリングに踏み切ったことがわかりました。ロイターによりますと、RBAのブロック総裁補は22日の講演で住宅ブームによる家計債務の膨張に警戒感を示しました。

豪ドルとNZドルは目先、金融市場の心理、中国経済、コモディティ相場、米国債利回りと米ドル地合いの影響を引き続き受けそう。RBNZとRBAの金融政策に敏感になっていて、高官の発言に反応する可能性があります。60セカンド・インベスターのストラテジストは、FOMC後の週後半は、中国恒大問題が米ドルとリスク資産を動かしそうだとコメントしました。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は、17日付けレポートで、豪ドル/NZドルのペアは短・中期的に1.04近辺で推移すると予想。ウエストパックは、20日付けレポートで、年末は1.06と予想しました。

[SEPTEMBER 22,2021 AN313]

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