豪ドル安・NZドルどう動く、相場と中銀見通しのギャップ

2021/09/16 09:24

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「まちまち」

15日の欧米の外国為替市場はやや米ドル安地合いとなりました。

円は対米ドルで0.3%続伸。ユーロが対米ドルで小幅高。インフレ指標が予想を上振れたことを受け英ポンドは堅調でした。資源国通貨のドルブロックはまちまち。強いカナダ消費者物価指数(CPI)を手掛かりにカナダドルが買われ、対米ドルで0.5%上昇しました。

オーストラリア(豪)ドルは対米ドルで0.2%反発。クロス取引の豪ドル/円は0.1%安の80円20銭近辺で推移しました。ニュージーランド(NZ)ドルもほぼ同様の動き。対米ドルで小幅高。クロス取引のNZドル/円は0.1%安の77円70銭台で取引されました。豪ドル/NZドルは小動きでした。中国の弱い経済指標の発表が相次いだことがオセアニア2通貨の上値を抑えました。

「豪ドル大幅売り越し」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、7日に終了した週の豪ドルは7万0488枚の売り越し。前週の6万0078枚から売り越し幅が拡大。豪ドルのショート(売り)ポジションは1カ月で約50%増えました。

NZドルは3863枚の買い越し。前週の2141枚売り越しから買い越しに転じました。買い越し幅は小幅でした。豪ドルのバイアスはベア(弱気)、NZドルはニュートラル(中立)で変わらず。

INGのアナリストは、豪ドルのネットショートが極端な水準に増加したものの、目立ったショートスクイーズは進まない可能性があるとコメントしました。対照的にNZドルは買い越しに戻ったとしています。

「RBA総裁」

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のロウ総裁の14日の講演に市場関係者が注目しました。ロイターによりますと、ロウ総裁は賃金が伸び悩んでいるため2024年までに政策金利を引き上げる可能性は低いとの見方を示しました。RBAは利上げは2024年以降になることを繰り返し示唆していました。ロウ総裁の発言は見通しをあらためて表明したもの。サプライズはありません。

しかし、市場では2023年に利上げサイクルに入るとの予想が優勢でした。ロウ総裁は「期待感は見通しとの整合性がとれず、来年もしくは2023年序盤の利上げがなぜ相場に織り込まれているのか理解に苦しむ」と述べました。RBAの金利見通しと相場に織りこまれた市場予想のギャップが表面化したと言えます。ロウ総裁の発言に敏感に反応、14日の取引で豪ドルは売られました。豪ドル/円は1%下落しました。

NZドルに関しては、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)と相場織り込みのギャップがないようにみえます。RBNZは近く利上げに動くことを示唆、相場は10月6日の金融政策委員会で利上げサイクルに入ることを織り込んでいます。

バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は13日付けの最新見通しで、利上げがNZドル相場に完全に織り込まれていて、短期的にどれほどNZドル押上げ要因になるかは疑問だとコメント。複数回の利上げがあった後の来年第2四半期(4~6月)のニュージーランド経済の状況が非常に重要になるとしています。

豪ドルとNZドルはそれぞれ、金融市場の心理、米ドル地合いと米国債利回り、中国経済とコモディティ相場の影響を当面受けるとみられます。新型コロナウイルスの感染状況と経済活動の動きが影響しそう。中銀の金融政策、特にRBAの金利見通しに関する観測・思惑が相場を動かす可能性があります。

BNZは豪ドル/NZドルは当面レンジで推移すると予想。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストは、10日付けレポートで、豪ドル/NZドルが来年第四半期(4~6月)まで1.04近辺の横ばい水準で推移すると予想しました。

[SEPTEMBER 15,2021 AN312]

topへ