豪ドルとNZドル、コロナ後にらんだ予想に変化なし

2021/09/09 09:45

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「豪ドル軟調」

8日の欧米の外国為替市場の主要通貨は全体的に小動きでした。主要な中央銀行の政策をめぐる観測・思惑が交錯しました。

欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えユーロは軟調。円はほぼ横ばい、英ポンドは対米ドルで小幅安でした。資源国通貨のドルブロックはまちまち。カナダ銀行は政策金利を予想通り据え置きました。カナダドルは軟調でした。

オーストラリア(豪)ドルは軟調。豪ドル/米ドルは0.2%安。クロス取引の豪ドル/円は0.3%豪ドル安・円高水準の81円20銭台で取引されました。ニュージーランド(NZ)ドルは底堅く推移。対米ドルでほぼ横ばい。クロス取引のNZドル/円は横ばい水準の78円20銭台後半で取引されました。豪ドル/NZドルのペアは小幅ながら豪ドル安・NZドルに振れました。

「豪ドル売り越し拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、8月31日に終了した週の豪ドルは6万0078枚の売り越し。前週の5万6600枚から売り越し幅が拡大。豪ドルのショート(売り)ポジションは円に次いで2番目の大きさでした。

NZドルは2141枚の売り越し。前週の362枚から売り越し幅が拡大しました。豪ドルのバイアスはベア(弱気)、NZドルはニュートラル(中立)で変わらず。

「ハト派テーパリング」

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は7日の会合で政策金利を予想通り0.10%に据え置くことを決めました。債券買い入れについては、週50億豪ドルを週40豪ドルに計画通り縮小しました。

債券買い入れの縮小(テーパリング)についてエコノミストの予想は分かれていました。ロイターの調査ではエコノミスト25人中10人が延期を予想していました。軽めのサプライズでしたが、RBAが債券購入ペースを2022年2月半ばまで延長すると発表したことで「ハト派なテーパリング」と受け止められました。豪ドル売りに繋がりました。

RBAのロウ総裁は、新型コロナウイルスのデルタ型変異種の感染拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)が景気に影響していることを認めながらも、先行きについては楽観的な見方を維持しました。

シドニー・モーニング・ヘラルドによりますと、シドニー郊外で感染が拡大したものの、パブとスポーツジムの規制が10月末にワクチン接種を条件に解禁される見通しです。

一方、ニュージーランドは感染が抑制されつつあります。ニュージーランド政府の発表によりますと、8日に確認された新規感染者は15人。前日の21人から減少、改善傾向が継続しています。最大都市オークランドを除く地域では学校と企業が8日から再開。ニュージーランド・ヘラルドによりまと、2週間後に警戒レベルが1まで引き下げられ、正常化する見通し。オークランドのロックダウン措置は少なくとも9月14日まで継続されます。

「コロナ後にらむ」

豪ドルとNZドルは引き続き金融市場の心理、米ドル地合い、コモディティ相場、中国経済の影響を受けそう。オセアニア2カ国のそれぞれの新型コロナ関連の規制の動向をにらんだ展開になる可能性があります。

ロックダウンの翌日に開催されたニュージーランド準備銀行(RBNZ)の8月会合は利上げを見送りました。RBAはハト派なテーパリングを決定。デルタ型変異種の感染拡大が影響したものの、いずれの中銀も景気が来年力強く回復するとの見通しを維持しています。

主要な金融機関はオーストラリア経済とニュージーランド経済の強気な予想を維持。豪ドルとNZドルは、見通しがやや修正されたものの、対米ドルでの上昇基調が継続すると幅広く予想されています。

INGは、6日付け最新見通しで、豪ドル/米ドルの来年3月末は1豪ドル=0.75米ドルに上昇するとの予想を据え置きました。NZドル/米ドルは1NZドル=0.74米ドルに上昇するとみています。バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は6日付けの見通しで、NZドルと豪ドルの通貨ペアはレンジで推移するとの予想を維持しました。

[SEPTEMBER 08,2021 AN311]

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