NZドル・豪ドルの対米ドル予想見直しの動き

2021/07/29 09:16

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「FOMC」

28日の欧米の外国為替市場は全体的に小幅な値動きでした。終盤にやや米ドル安に振れました。

注目を集めたアメリカの連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り政策金利と量的緩和を全会一致で据え置きました。声明とパウエル議長の記者会見でサプライズはありませんでしたが、FOMC後に米ドルが小幅高から小幅安に転じました。FRBが経済に楽観的な見方を示したことを受け、資産買い入れ縮小(テーパリング)に一歩近づいたとの見方が広がりました。

ユーロと英ポンドは対米ドルで小幅高。円は小幅安。資源国通貨のドルブロックは堅調でした。カナダドルは対米ドルで0.7%上昇しました。

オーストラリア(豪)ドルは堅調。豪ドル/米ドルは0.2%上昇。クロス取引の豪ドル/円は81円05銭近辺の0.3%豪ドル高・円安水準で取引されました。

ニュージーランド(NZ)ドルは軟調に推移しましたが、FOMC後に小幅高に転じました。NZドル/米ドルは0.1%高。クロス取引のNZドル/円は76円40銭台後半の0.2%NZドル高・円安水準でした。

高く推移していた米国債利回りがFOMC後に低下に転じたことが材料でした。

「豪ドル売り越し拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、20日に終了した週の豪ドルは3万5690枚の売り越し。前週の2万8788枚から売り越し幅が拡大しました。豪ドルのショート(売り)ポジションは去年6月以来の高水準に増加。米ドルのロング(買い)ポジションが増えたことの組み合わせで大幅な売り越しとなりました。NZドルは3046枚の買い越し。前週の3230枚とほぼ同じ水準でした。

「豪ロックダウン」

オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州で28日に新型コロナウイルスの新規感染者が186人確認されました。州当局はシドニー市のロックダウン(都市封鎖)を8月28日まで延長しました。90代の女性が死亡。ワクチン未接種者でした。オーストラリアのワクチン接種率は欧米と比べ大幅に遅れています。少なくとも1回の接種をした人は人口の31.34%。2回の接種を終えた人は13.8%に留まっています。

ロックダウンが継続する中、オーストラリアの物価上昇が加速しました。オーストラリアの第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で3.8%上昇。前期の1.1%から加速、予想の3.7%を上振れました。シドニー・モーニング・ヘラルドは食料品価格の上昇が加速する中、10人に1人が失業したと報じました。

「対米ドル見通し」

バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は、26日付けの最新見通しで、NZドル/米ドルの見通しを下方修正しました。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が今四半期中に利上げサイクルを開始するとの見方は変わっていません。9月末を当初の0.75米ドルから0.72米ドルへ修正。12月末予想は0.76米ドルから0.75米ドルに引き下げました。

BNZの修正は米ドルが全体的に堅調に推移するとの見通しを反映したもの。ただ、現在の水準と比べNZドル高・米ドル安方向にあるとの見方に変化はありません。BNZは豪ドル/米ドルの予想も下方修正しました。引き下げ幅がNZドルより小幅ながら大きく、豪ドル/NZドルがわずかながら安くなるとみています。

豪ドルとNZドルは当面、金融市場全体の心理、米国債利回り、コモディティ相場の動向に左右されそうです。オーストラリア準備銀行(RBA)の8月3日の会合が注目。RBNZの次回会合は8月18日に予定されています。

トレーディング・エコノミクスの25日付けの見通しは、9月末の豪ドル/円は81円14銭、NZドル/円は76円89銭との予想でした。

[JULY 28,2021 AN305]

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