リスク敏感反応し大幅安、豪ドル/NZドルは横ばい

2022/05/19 07:26

松島新の週刊2分でわかる豪・NZ

「反落」

18日の欧米の外国為替市場の米ドルは4日ぶり反発。小売り大手決算を受けアメリカ株式相場は急反落。高インフレとリセッション(景気後退)リスクが強く意識され、逃避買いで米ドルと円が買われました。ユーロは反落。英ポンドは大幅反落。原油安も影響しカナダドルは軟調でした。

リスクに敏感なオセアニア通貨も売られました。豪ドル/米ドルは1.0%下落。節目の1豪ドル=0.70米ドルを割りました。クロス取引の豪ドル/円は2.0%安、心理的節目の90円を割って取引されました。NZドル/米ドルは1.0%安の1NZドル=0.63米ドル近辺。クロス取引の豪ドル/円は80円70銭近辺、2.0%下げました。2通貨がそろって上昇した前日と反対の動き。豪ドル/NZドルは1.10台の狭いレンジで推移し横ばいでした。

金融市場全体のリスク回避ムードが影響しました。原油、銅、小麦、コーンなど幅広いコモディティが大幅に下落したことが圧迫。米ドル高地合い、アメリカの中央銀行である連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを継続するとの観測も米ドル買い・オセアニア通貨売りを誘いました。

21日にオーストラリアの総選挙が実施されます。最新の世論調査は与党連立が最大野党の労働党を追い上げ接戦となることを示唆しました。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストは、労働党が連立与党に勝利する可能性が高いものの、ハングパーラメント(どの陣営も単独過半数を持たない議会)もありうると指摘。両陣営とも中央銀行の大幅見直しを公約しており、広範な見直しは予期せぬ結果をもたらすリスクを高めているとコメントしました。

「売り越し拡大」

アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の統計によりますと、10日までの1週間の豪ドルは4万1714枚の売り越し。前週の2万8516枚から売り越し幅が拡大。NZドルは1万2996枚の売り越し。前週の6610枚から売り越し幅が拡大。豪ドルのバイアスはベア(弱気)で変わらず、NZドルはニュートラル(中立)から弱気に転じました。

「リスク心理に揺れる」

豪ドルとNZドルは引き続き金融市場のセンチメント(心理)、コモディティ相場、米ドル地合いと米国債利回りの影響を受けるとみられます。今週の動きは豪ドルとNZドルがいかにリスク心理に敏感かを示す形となりました。資源国通貨のドルブロックであるカナダドルはアメリカ経済に左右される一方、オセアニア2通貨は中国経済の影響を大きく受ける傾向があります。中国の新型コロナウイルス規制や中国経済見通しを材料に上下に振れる可能性があります。

アメリカ株式市場の「コロナバブル」がはじけつつあります。ボラティリティ(変動)が一段高まり、金融市場全体を揺らしています。ロシアのウクライナ侵攻後の資源高を背景に豪ドルは3月末まで上昇基調だったものの下げに転じ、豪ドル/米ドルは2020年7月の水準に戻りました。NZドル/米ドルは2020年5月末の水準まで売られました。クロス取引の対円相場は、米ドル高・円安が進んだ影響で年初よりまだ高い水準にあります。連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げの継続を示唆しているため、対米ドルの軟調な地合いは当面続くとの見方が優勢です。

豪ドルとNZドルの対米ドル相場は下振れリスクがあるとオセアニアの金融機関は予想しています。対円相場は、振れが大きくなった米ドル/円の影響を引き続き受けそう。バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)のアナリストは、豪ドル/NZドルについてレンジ推移を予想しました。

[May 18 2022 AN347]

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