トルコリラ/円、下落フロー警戒シグナルが出現!

2022/05/20 09:13

テクニカル・ポイント

【注目ポイント】今後「7.667円」を割り込むか否か
【見通し①】同レート割れなら、「7.000円」付近or「6.087円」付近までの下落を想定
【見通し②】同レート割れ回避なら、「8.500円」付近までの戻りもあり得そう
【基本的トレード方針】「戻り売り」「打診売り」
【注意点】フラッシュ・クラッシュの発生に要警戒

トルコリラ/円・日足チャート

今週17日、下値サポート帯として機能していた青色雲の下辺である先行2スパン(≒8.235円)を終値ベースで割り込み、徐々に下値を切り下げる相場付きとなっているトルコリラ/円。その他メルクマールでも、下落フロー警戒のシグナルが出現しています。

上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を下抜ける“逆転”(上図黄色丸印)となっていること、3) ローソク足の上方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIの乖離が拡大し、ADXが右肩上がり推移となっている(上図青色点線丸印)ことから、トルコリラ/円・日足チャートは、下降トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・-1σラインと同・-2σラインの間を推移する“下降バンドウォーク”となっていること、さらには、ⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”となっていることを合わせると、今後のトルコリラ/円下降モメンタムがさらに強まる可能性も。

そんな中、今後注目すべきポイントは、ロシア軍によるウクライナ侵攻が勃発した日である2月24日に付けた直近安値である「7.667円」(上図黄色矢印および黒色線)を割り込むか否か。

筆者が予想する今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、「7.667円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「直近安値割れ」→「下降モメンタムの強まり」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの継続」や「-DI>+DIの乖離拡大」も伴いながら、心理的な重要水準である「7.000円」(上図Ⓐ水色線)付近、ないしは、過去最安値である「6.087円」(21年12月20日)付近までの下落を想定すべきでしょう。投げ売り(※1)や狼狽(ろうばい)売り(※2)といったマーケット参加者の心理的事象も加味しつつ、瞬間的な下落フロー(=崩落)であるフラッシュ・クラッシュの可能性についても視野に入れるべきでしょう。(※1「投げ売り」:損失が生じることを承知の上で、買いポジションを売り決済すること。※2「狼狽売り」:相場の急激な下落局面において、慌てて買いポジションを売り決済すること。)

[見通し②]
一方で、「7.667円」割れが回避された場合は、「一旦の下値固め」→「小反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォーク崩れ」や「-DI>+DIの乖離縮小」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストである21日MAを基準とする「8.500円」(上図Ⓑ水色線)付近までの戻りもあり得そうです。ただし、現時点の各メルクマールを勘案すると、その戻りは限定的と言えるでしょう。


上記見通し①および②を概括すると、今後のトルコリラ/円に関しては上値の重い相場付きが継続しそうです。よって、基本的なトレード方針は「戻り売り」ないしは「打診売り」が奏功しそうです。また、[見通し①]にも記載した通り、瞬間的な下落フローであるフラッシュ・クラッシュの可能性も無視できないため、値頃感をベースとする短絡的な買いエントリーは遠からず『安物買いの銭失い』となり得ることから、『休むも相場』という考え方も取り入れつつ、厳に慎むべきと考えます。

以上、今後のトルコリラ/円に関するトレード・アイデアの一つとして参考にしていただければ幸いです。

■トルコリラ/円に関するファンダメンタルズ材料詳細については、本日の『デイリーフラッシュ』([トルコリラ/円が一時2カ月ぶり安値])をご覧ください。


執筆者プロフィール
津田 隆光(つだ たかみつ)
チーフマーケットアドバイザー
日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)。主にコモディティ分野のマーケットに従事し、2008年1月マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。各種テクニカル分析レポートを執筆する傍ら、セミナー講師やラジオ番組コメンテーターなどを務める。毎週木曜日、M2TV「マーケットView虎視眈眈」を担当。
【プロフィール】大阪府出身。元高校球児。
【趣味】読書(歴史小説)、ドライブ、温泉旅行
【好きな言葉】「Simplicity is the ultimate sophistication.」(単純は究極の洗練) 「不激、不躁、不競、不随」(激せず、躁がず、競わず、随わず


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