ユーロ/米ドル、もう一段の下押しとなるか

2022/01/27 09:39

テクニカル・ポイント

【注目ポイント】直近安値「1.11834ドル」で下値サポートされるか否か
【見通し①】同レートサポートなら、「1.13360ドル」or「1.14490ドル」付近までの戻りもあり得そう
【見通し②】同レート割れなら、「1.10000ドル」に向けた下落も視野に
【注目材料】ウクライナ情勢

ユーロ/米ドル・日足チャート

今月半ば、「遅行スパンの“好転”」と「ローソク足の先行スパン(赤色雲)突破」もあり、短期的な上昇トレンドシグナルが出現したユーロ/米ドルですが、結果的には「好転フェイク(ダマし)」となり、直近高値となる「1.14772ドル」(1/14)を付けた後、徐々に下値を切り下げる動きとなっています。

■ファンダメンタルズ材料については、本日の『デイリーフラッシュ』([米ドル/円は115円台への上昇も⁉ 米長期金利に注目])をご覧ください。

上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足を下抜ける“逆転”(上図黄色丸印)になりつつあること、3) ローソク足が青色雲(=先行スパン、サポート帯)の下方にあること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして、5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩下がり推移となっている(上図青色点線丸印)ことから、ユーロ/米ドル・日足チャートは、下降トレンド序盤を示唆するチャート形状であると判断します。

今後の注目ポイントは、昨年11月24日に付けた直近安値である「1.11834ドル」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。

筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、直近安値付近で下値サポートされた場合は、「一旦の下値固め」→「反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの逆転フェイク(ダマし)」や「-DI>+DIの乖離縮小」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(≒1.13360ドル、上図Ⓐ緑色線)、ないしは、BB・+2σライン(≒1.14490ドル、上図Ⓑ赤色線)付近までの戻りもあり得そうです。

[見通し②]
一方で、ローソク足が終値ベースで直近安値を下回った場合は、「直近安値割れ」→「下降モメンタムの強まり」となる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォーク継続」や「-DI>+DIの乖離拡大とADXの上昇」も伴いながら、もう一段の下値追いとなりそうです。相場材料によっては、心理的水準である「1.10000ドル」に向けた下落も視野に入れるべきでしょう。


上記[見通し②]のトリガー(引き金)になり得る材料としては、ⅰ) FRBおよびECBによる金融政策スタンスの見通しとともに、ⅱ) ウクライナ情勢に関する地政学的リスクの顕在化が主に挙げられるでしょう。特に、後者(ⅱ)に関しては、「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」といった相場格言にもある通り、クリミア半島における地政学的リスクの台頭は、地理的に近い欧州の経済に少なからず影響を与える可能性もあり、「ユーロ売り」の材料ともなり得るため注意・警戒が必要と言えるでしょう。

以下余談ながら、歴史的にロシアの軍事行動は厳寒の季節に本格化する事例(ex.ナポレオン戦争[1812年]、独ソ戦[1941年])も多く、その強さから「冬将軍」の語源にもなったことから、2月末までの期間はウクライナ情勢が世界の不安定要素となり得そうです。


執筆者プロフィール
津田 隆光(つだ たかみつ)
チーフマーケットアドバイザー
日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)。主にコモディティ分野のマーケットに従事し、2008年1月マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。各種テクニカル分析レポートを執筆する傍ら、セミナー講師やラジオ番組コメンテーターなどを務める。毎週木曜日、M2TV「マーケットView虎視眈眈」を担当。
【プロフィール】大阪府出身。元高校球児。
【趣味】読書(歴史小説)、ドライブ、温泉旅行
【好きな言葉】「Simplicity is the ultimate sophistication.」(単純は究極の洗練) 「不激、不躁、不競、不随」(激せず、躁がず、競わず、随わず)


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