米ドル/円、「オミクロン・ショック」で一時113円まで下落

2021/11/29 09:57

テクニカル・ポイント

【注目ポイント】BB・-2σライン(≒112.780円)で下値サポートされるか否か
【見通し①】同ライン下値支持なら、再度「115.000円」付近までの上昇も
【見通し②】同ライン割れなら、「112.300円」付近までの下押しを想定
【注意・警戒点】Xmasシーズンに向けた市場の流動性低下

米ドル/円・日足チャート

米感謝祭前の24日に直近高値となる「115.491円」を付けた後、26日に、言わば「オミクロン・ショック」とも言える金融市場全般のリスク回避ムードに伴う円高フローもあり、米ドル/円は一時「113.000円」まで下落する動きとなっています。

※ファンダメンタルズ材料の詳細については、本日の『ファンダメ・ポイント』([今週の注目ポイント:オミクロン株、OPECプラス、米雇用統計])および『デイリーフラッシュ』([リスクオフの流れが続くか、円高が進む可能性も])をご覧ください。

上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態になっていること、3) ローソク足が青色雲(=サポート帯、先行スパン)の中に入り込んでいること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして、5) DMI(方向性指数)でADX、+DI、-DIが収斂する状態(上図青色点線丸印)になっていることから、米ドル/円・日足チャートは、方向性を模索するレンジ相場を形成する時間帯であると判断します。

目先の注目ポイントは、BB(ボリンジャーバンド)・-2σライン(≒112.780円、上図黄色矢印および赤色線)でローソク足が下値サポートされるか否か。

筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、BB・-2σラインがローソク足の下値支持線となり得た場合は、「下値固め」→「反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「+DI>-DIの乖離拡大」および「21日MA(≒114.100円)超え」も伴いながら、引き続き心理的水準として機能する「115.000円」(上図Ⓐ緑色線)付近までの上昇となりそうです。

[見通し②]
一方、BB・-2σラインをローソク足が終値ベースで下回った場合は、「下値支持線割れ」→「もう一段の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「-DI>+DIの乖離拡大」および「遅行スパンの下放れ」も伴いながら、青色雲の下辺である先行2スパン(≒112.300円、上図Ⓑ水色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。

ただし、現時点では、青色雲が比較的厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、その下値余地は限定的と捉えて良いでしょう。


26日の大陰線については、新型コロナウイルスの変異種である「オミクロン株」が取り沙汰されたタイミングが、同日の「ブラックフライデー」に伴う市場の流動性低下時と合致したことも一因と捉えることができます。感謝祭の連休明けで市場参加者が復帰し、また、新たな情報が入ることで市場心理も徐々に落ち着く可能性がある一方で、これからのXmasシーズンに向けて、市場参加者が漸次減少することで流動性が低下し、ネガティブなニュースに過剰反応(=狼狽売り、投げ売り)する可能性にも引き続き注意・警戒が必要と言えるでしょう。よって、トレードに際しては、ストップロスやOCO、あるいはトレールストップ等の「出口戦略」についても適宜留意いただくよう、お願いいたします。

■「出口戦略」の方法論については、11/11のM2TV・マーケットView虎視眈眈(『米ドル/円、NZドル/円、メキシコペソ/円 見通し&「出口戦略」について』)でも解説しています。よろしければこちらもご覧ください。


執筆者プロフィール
津田 隆光(つだ たかみつ)
チーフマーケットアドバイザー
日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)。主にコモディティ分野のマーケットに従事し、2008年1月マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。各種テクニカル分析レポートを執筆する傍ら、セミナー講師やラジオ番組コメンテーターなどを務める。毎週木曜日、M2TV「マーケットView虎視眈眈」を担当。
【プロフィール】大阪府出身。元高校球児。
【趣味】読書(歴史小説)、ドライブ、温泉旅行
【好きな言葉】「Simplicity is the ultimate sophistication.」(単純は究極の洗練) 「不激、不躁、不競、不随」(激せず、躁がず、競わず、随わず)


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