トルコリラ/円、最安値更新となるか

2021/10/19 09:29

テクニカル・ポイント

【注目ポイント】ADX(平均方向性指数)の動向
【見通し①】ADX右肩上がり推移なら、「11.998円」(過去最安値)割れも視野
【見通し②】ADX横這い推移継続or右肩下がり推移なら、「12.370円」付近までの戻りも

トルコリラ/円・日足チャート

先週14日、エルドアン大統領が、TCMB(トルコ中銀)を構成するMPC(金融政策委員会)のメンバー3人を更迭したとの報道を受け、ギャップ・ダウン(下方窓開け)となり、その後も弱気基調が継続しているトルコリラ/円。足もとのトルコリラは、対米ドルで最安値を更新し、対円では過去最安値である「11.998円」(2020/11/6)に向けて徐々に下値を切り下げる相場展開となっています。

※トルコ情勢に関するファンダメンタルズ材料詳細については、本日の『デイリーフラッシュ』([トルコリラ/円が過去最安値に接近])をご覧ください。

上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIの乖離が拡大している(上図青色点線丸印)ことから、トルコリラ/円・日足チャートでは、下降トレンドを示すチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、a) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・-2σラインを下回る動きとなっていること、また、b) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”となっていることを合わせると、今後のトルコリラ/円は、もう一段の下値切り下げとなる蓋然性(がいぜんせい)が高いと言えるでしょう。

足もとの注目ポイントは、ADX(平均方向性指数、上図黄色矢印)の動向。

筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、ADXが右肩上がり推移に転換した場合は、「弱気基調の方向性支援」→「下降モメンタムの強まり」となりそうです。そのケースでは、心理的水準である「12.000円」を意識しつつ、過去最安値である「11.998円」割れも視野に入りそうです。

[見通し②]
一方で、ADXが横這い推移の継続、ないしは右肩上がり推移再開となった場合は、「方向性の模索」→「一旦の反発/戻しフロー」となりそうです。そのケースでは「-DI>+DIの乖離縮小」も伴いながら、BB・-1σライン(≒12.370円)付近まで戻る可能性も。ただし、現時点における先行スパンの上下辺に比較的大きな乖離(=強い上値抵抗帯)があることから、その戻りは限定的であると予想します。


上記見通し①および②を概括すると、当面のトルコリラ/円は「戻り売り」が奏功する相場付きとなりそうです。値頃感(=主観的な割安感)をベースとする安易な買いエントリーは、相場格言にある通り、「安物買いの銭失い」となる可能性があることから、大いに用心すべき局面であると考えます。


-------------------------------------------------------------------------
▼10/28(木)18:00~ 「年末までの為替・株価大予測セミナー」開催
※2人のスペシャリスト宮田直彦・八代和也が登場!
詳細・お申し込みはこちら→https://www.m2j.co.jp/seminar/3459/contents
-------------------------------------------------------------------------


執筆者プロフィール
津田 隆光(つだ たかみつ)
チーフマーケットアドバイザー
日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)。主にコモディティ分野のマーケットに従事し、2008年1月マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。各種テクニカル分析レポートを執筆する傍ら、セミナー講師やラジオ番組コメンテーターなどを務める。毎週木曜日、M2TV「マーケットView虎視眈眈」を担当。
【プロフィール】大阪府出身。元高校球児。
【趣味】読書(歴史小説)、ドライブ、温泉旅行
【好きな言葉】「Simplicity is the ultimate sophistication.」(単純は究極の洗練) 「不激、不躁、不競、不随」(激せず、躁がず、競わず、随わず)


topへ