ロシアのデフォルト危機再び

2022/05/23 08:39

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・米国の特例措置が5月25日に失効へ
・5月27日利払いは前倒しで実行か
・次のハードルは6月下旬

ロシアのデフォルトの可能性が再び高まっています。対ロシア経済制裁のなかで、米国の特例措置が5月25日に失効するからです。特例措置は、米財務省のOFAC(外国資産管理局)が管轄しており、米国の投資家がロシアからの元利払いを例外的に受け取ることを可能にするものです。

投資家は特例措置の延長を求めているようですが、イエレン米財務長官は特例措置を失効させることを示唆しています。

※3月21日付け特別レポート「ロシアの『デフォルト』を正しく理解しよう!」をご覧ください。

外貨準備の多くが凍結されるなかで、ロシアはこれまで国内の外貨を利用するなどしてデフォルト回避のために尽力してきました。特例措置失効予定日(5/25)の2日後に期限の到来する7,125万ドルと2,650万ユーロの利払いについて、ロシアはすでに振替機関に資金移管を終えており、失効予定日前に支払いを行う(=デフォルトを回避する)意向のようです。

ロシア国債元利払いスケジュール

それらの支払いが履行された場合、次のハードルは6月23-24日に到来する計3.9億ドルの利払い。これまでより金額が大きいこともあり、特例措置が延長されたとしても、デフォルトの可能性が高まりそうです。

なお、ムーディーズなど3大格付け機関は、既にロシアの格付けを取り下げており、現在は無格付けです。また、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に基づけば、ロシアが1年以内にデフォルトする確率は90%となっているようです。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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