FED(フェッド)スピーク

2022/05/18 07:25

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・多くのFRB関係者が金融政策について発言
・タカ派もハト派もインフレ抑制を最重要視
・中立水準を上回る利上げも躊躇(ちゅうちょ)しない
・ある程度の景気減速は容認する構え

17日、米FRB関係者から多くのFEDスピーク(◆キーワード)が聞かれました。景気を重視するハト派やインフレ抑制を重視するタカ派もいましたが、共通のメッセージは、インフレ抑制に全力を挙げる、景気は雇用を中心に堅調だが、仮に景気にブレーキがかかるとしても、ある程度なら容認する、ということでしょう。そうしたなかで、パウエルFRB議長は、必要があれば、政策金利を2%台半ばとみられる中立水準を超えて引き上げることを躊躇しないと改めて表明しました。

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パウエルFRB議長
・インフレが落ち着くという明確かつ確信を持てる証拠がみえる必要がある。それまでは利上げを続ける
・そのために一般に理解されている(政策金利の)中立水準を上回ることが必要なら、全く躊躇はしない
・物価の安定は経済の基本であり、それを達成するための幾分かの痛み、たとえば失業率の少しの上昇は、払ってもいいコストだ
・失業率が少し上昇したとしても、労働市場は非常に力強いままだろう
・(利上げ等によって)金融市場の変動はやや大きくなっており、流動性にも影響が出ている。それでも、市場は落ち着いており、われわれの考え方を正しく織り込んでいるように思える

ブラード・セントルイス連銀総裁(タカ派の代表格)
・今後の数会合で0.50%利上げする方向にあるとのパウエル議長の発言を支持する
・(以前は0.75%利上げも選択肢だと語っていたが、)今回は言及なし
・将来の利上げを織り込んで市場金利は上昇しており、事実上の引き締めを行っている
・世界的にQT(量的引き締め)が行われており、市場金利にさらに上昇圧力が加わるだろう

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(ハト派の代表格)
・インフレを抑制するために、リセッション(景気後退)を引き起こす必要があるか。その答えを持っていない
・コロナ禍の前はハト派でいることは簡単だった。現在は、インフレがとんでもないことになっており、様々な尺度でみて労働市場は力強いので、タカ派になることは簡単
・リセッションになって失業率が大幅に上昇すれば、現在と真逆の状態になって、やはり経済は不均衡になる。やりすぎは極力回避しなければならない

◆キーワード
FEDスピーク:
FED(フェッド)とは米FRB(連邦準備制度理事会)のこと。その関係者による金融政策に関連した発言。もともとは市場関係者でも理解しにくい間接的な表現などを指しましたが、ここでは金融政策に関する発言全般を指しています。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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