日銀は物価見通しを上方修正も金融緩和を継続!?

2022/04/18 07:25

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・28日公表の展望レポートで日銀は物価見通しを上方修正
・金融緩和が必要との姿勢に変化はなし
・「円安はプラス」との判断に変化は生じるか
・日銀がYCCを続ける限り、「円安」傾向は続きそう

15日付けのBloombergの記事によれば、28日の日銀金融政策決定会合後に公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、22年度のCPI(消費者物価指数)の前年比見通し<中央値>が1月時点の1.1%から1%台後半に上方修正されるようです。

それでも物価が2%程度で安定的に推移する姿は描けず、融緩和を続ける方針が改めて表明されるだろうとのことです。

日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)のもと、「指し値オペ」などにより長期金利(10年物国債利回り)を目標であるゼロ%±0.25%の上限(=0.25%)内に押さえ込む姿勢を変化させない限り、日本の長期金利の上昇やそれに伴う「円安」の修正は起こりにくいでしょう。むしろ、米国やその他主要国との長期金利差が一段と拡大して、米ドル/円やクロス円が押し上げられる可能性が高そうです。

1月の展望レポートでは、本文中に為替相場への言及はほとんどなく、「円安」への懸念はうかがえませんでした。後段の背景説明には、「為替変動がわが国実体経済に与える影響」との詳細な分析があります。しかし、そこでも、実質所得が下押しされる点に留意が必要としつつ、「基本的な結果として、円安の実質GDPヘの効果は、近年も含め、統計的に有意にプラスであることを確認できる」と結論付けられています。

※日銀のYCCと「円安」との関係を以下で詳しく解説しているので、是非ご覧ください。

◆4月15日付けM2TVマーケットVIEW「『円安』進行のカギを握るYCCはどうなる?」
◆4月15日付けマイナビニュース「『円安』進行のカギを握るYCCの行方」

展望レポ―t22年1月

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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