米FOMCの注目点:QE開始のヒントは?

2022/01/26 07:40

ファンダメ・ポイント

【ポイント】
・3月利上げが明示されるか、利上げのペース(年内の回数)は?
・テーパリング終了の再確認とQT(量的引き締め)開始のヒント?
・パウエル議長はタカ派姿勢を強めるか
・FOMC内部のハト・タカ度

米FOMCの結果が日本時間27日午前4時に判明し、30分後にパウエル議長の記者会見が始まります。市場が想定する以上の利上げペースや早期のQT(量的引き締め)開始が示唆されれば、長期金利の上昇を通じて米ドルのサポート材料になるかもしれません。

以下はFOMCと議長会見の注目点です。

3月利上げの有無と年内利上げ回数の示唆?
ここ数週間、FOMC参加者は異口同音に3月利上げの可能性に言及しており、3月利上げが既定路線のようにみえます。FOMC声明文や議長会見で、「次回」3月のFOMCで利上げする可能性が高いとの明確なメッセージが出るでしょうか。

昨年12月の「ドット・プロット(ドット・チャート)」では、その中央値が22年中に3回の利上げを示しました。ただし、最近になって、ブラード総裁(セントルイス)が4回利上げの可能性に言及。ウォラー理事は、3回利上げが基本線としつつ、4~5回利上げの可能性にも触れました。

市場には、経済見通しや「ドット・プロット」が発表される3、6、9、12月の会合で政策金利の変更が検討されるとの暗黙の了解があります。それ以外の会合でも政策変更がありうるとのメッセージがあれば、利上げペースの前倒しや5回以上の利上げの可能性が市場に示されることになりそうです。

FRBの利上げ予想

テーパリング完了とQT開始のタイミング
特段の変更がなければ、テーパリング(QE=量的緩和の段階的縮小・停止)は3月に完了します。今回のFOMCではそれを再確認することになりそうです。一方、債券の保有残高を縮小させるQT(量的引き締め)については、前回FOMCで「利上げ開始後の早い段階で開始すべき」との意見がありました。また、パウエル議長は1月11日の議会証言で、「今年のある時期に(QTを)始める」と述べました。QT開始のタイミングに関して、さらに踏み込んだヒントは出るでしょうか。


パウエル議長はタカ派姿勢を打ち出すか
上述の議会証言で、パウエル議長は「最大雇用」と「物価安定」のどちらかを優先させることはないとしつつ、最大雇用を実現させるために物価安定が必要だと述べ、「現時点ではインフレに重点を置いている」と説明しました。今回の記者会見で議長はタカ派姿勢をさらに強めるか、注目されるところでしょう。

FOMC内部のハト・タカ度
例年通り、1月からFOMCの投票メンバーが交代します(地区連銀総裁4名)。また、バイデン大統領は副議長(銀行監督担当)を含めて3人の理事を指名しており、上院の承認待ちです。今回のFOMC声明文や議長会見からFOMC内部の状況をうかがい知ることは難しそうです(決定に反対する投票メンバーが出れば声明文に載りますが・・)。

ただし、今後の発言や投票行動などによって、FOMC内部のハト・タカ度が徐々に明らかになるでしょう。金融政策をフォローする上で重要なポイントになるかもしれません。

FOMC参加者のハトタカ度


執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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